もうずーっと前の話。
とりあえず、高校卒業して専門学校にそのうち行くのが予定で就職した都内のとある画材屋で働いてた時。私は新入社員の中で一番表向きな顔してたんだろうね!笑 一階の額縁売り場に配属になった。
え?額縁???買った事ないし!って、そんなもん売れんのか?私?って思っていたけど、実は額縁ってものすごく奥深い世界なの。その一つに額装があるのよね。
見てみてこれを!
ちょっと片手で撮ったから歪んじゃったんだけど、娘の「世界の夜景シリーズ」。これね、昔の人がやったみたいに、木の板にパステル使って描いた作品なのよね。この夜景やっぱりいろんな国のが混ざってるらしいです。日本のもあるそうですよ。
板は厚みが少しあるし、パステルは粉が扱いにくいし、何枚もの小さな作品の窓をマットに開けなきゃならないし、結構根気のいる作業だったと思うわ!でも、パーフェクトでないけど、(ガラスが汚れてる)、「頑張ったで賞」をあげたいわ!笑
私も基本のマット切は出来ました。阿部さんに教えてもらったから、マット切とか額装とか結構好きです。手先は器用な方だし、ああ言う計算大好きです。数学の成績はいまいちだったけどね。笑
しかし、阿部さんならもっとカッコよくできただろうな~!って思ったわ。
阿部さんは私のボスだった人で額縁部の人。彼が額装した、貝に掘られたカメオは博物館級だったわ!とっても上手く額装してたのよね。
じーっと暇さえあれば、どのように額装しようかって考えてはいろんな額縁持って来ては、ニヤニヤしてるの!www あかんわ、この人この仕事、すっきやねん!だねぇ。と思ったでしかし。
額装って言うのは結構その人のオリジナルであるし、意外に頭を使うものなのよね、簡単にできると思ったら、そうじゃないのよね。
彼はどこかの大学で文学をやってたみたいなんだけど中退して、この世界に入ったらしい。途中でドイツの美術に目覚めたらしく、暗くって重い絵画が好きだって言ってたっけね。今の私の年の半分くらいの年だったよね、当時の阿部さん。その時、まだ19の小娘だった私には大人に見えたなぁ。笑
私の周りには、こういう面白い人がなぜか集まるのよね。私はそれを楽しんでるのだけど・・・。笑
もう一人阿部さんのアシスタントがいてね、その子がボンビー学生(美術専門学校)のトンちゃん!トンちゃんどうしてるかなぁ。新潟かどこかの米どころ出身で、米だけはええもん食べてたトンちゃん。今こうして大学生の親になっちゃうと、娘と重なるよね、トンちゃんが。笑
店を辞める時に漫画の様なイラストを描いてくれたんだけど、あれ、どこ行っちゃったかしらねぇ。引っ越しが多くって、トンちゃんのイラストが行方不明になってます。
でね、それが、ちょっと娘のイラストにも似てる感じなのよね。
日本のオランジーナのイラストコンテストで入賞して、缶にプリントしてもらった賞品。運よく大学受験に間に合ったという感じで入賞して、もちろんポートフォーリオに入れましたよね。
ポートフォーリオDayの時、MCADのアドミッションの方が娘の事を結構気に入ってくれて、後にお電話で直接リクルートが来てましたよね。あそこはグラフィックデザインが結構良いのでどうかと思いましたが、娘はデザイン中心に勉強するより、いろんなことを勉強したいのでと言う事でSAICかUTで、UTに決めたんですよね。
結果的にUTにして正解だったようですよね、とっても成長してますから。。。作品も一皮むけて来てますしね。今セメは写真を勉強してますよ。
高校生のジュニア期はまだ何がしたいか分からないという、カオスな時代でした。もちろん今でもそうなんでしょうから、いったん就職して何をやりたいか働きながら決めたらいいと言ってます。
それに、娘の大学教授も、「アートは大学院にすぐ行かない方が良い、いったんどこかに就職してから何が勉強したいか良く分かった時点でも遅くない」と言う事。
それなら、美術と付かず離れずな仕事をしてからにする方が良いのだろうね。と娘と話していました。
早いもので、あと1年で就活ですよ!娘も。さあどこに行くんでしょうね。