毎年1月にクアラルンプール現地で観測している物価レポートも2017年で3回目となる。まずは2015年、2016年のブログと同じスーパーマーケットでほぼ同じ品物を購入して値段を比較してみた。多少の増減はあるものの、マレーシアなど現地で生産されている野菜や品物については昨年からあまり価格の変動がないことがわかる。
2016年1月の為替レートが1リンギット=28円だったのに対し、2017年1月は1リンギット=26円で計算しているので、円ベースでみると去年よりも約7%ほど安くなった感覚だ。
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エンドウ、キュウリ、トウモロコシ、ミニトマトなどマレーシア産の農作物には価格変動は見当たらない
マレーシア通貨リンギット安、石油価格の低迷、不安定なマレーシアの国内政治、中国経済の不透明感などの影響があり、2016年のGDP成長率は4.3%で足踏み状態だった。やや不況感が漂う中、ショッピングモールやスーパーマーケットが続々とオープンしており小売業界内の競争が厳しくなっている。消費者の生活に直結するマレーシア国内産の食品について、この2,3年間で物価変動は見当たらないのはこのような背景があるためだろう。
2015年のブログでは2017年までに5%~10%ほど小売価格が上昇すると予想していたが国内産の食品価格については予想が外れてしまった。
日本産野菜の輸入品が増えているが、割高感が顕著に価格据え置きのマレーシア国内品と比較すると、マレーシア国外からの輸入品の値段が割高に感じるようになった。日本からマレーシアへの輸入食材は増えているが、円に対してマレーシア リンギットが下がっていることや、日本の天候不順などでもともとの野菜価格が高騰していることなどを背景に、輸入食材の調達コストが高くなっているものとみられる。
昨年2016年1月時点でかぼちゃ半切りはRM12.2だったので10%以上値上がり、ゴボウはRM11.93だったので40%ほど高騰していることになる。
大根半分で182円~208円、長芋は写真のもので700円~900円ほどする。(1リンギット=26円で計算) ほうれんそうや小松菜、ねぎなどの葉物野菜も写真のような価格帯だ。現在は割高感があるとはいえ、消費者の立場でみると選択肢が多いことは喜ばしい。日本から輸入されてくる果物の種類も増えていて今後に期待したい。
2015年以降、日本からマレーシアに輸出されている日本産のお米についてニュースがあった。従来クアラルンプールのスーパーでよく見かける日本米らしき「SUMO」や「鮮米」はカリフォルニア産のジャポニカ米なので、日本産のお米とは似て非なるものといっていいものだが、2015年のアイリスオーヤマの低温製法米の輸入皮切りに、2016年には日本産のあきたこまちの輸入が開始されたのだ。
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カリフォルニア産のジャポニカ米。5kgでRM32~34と割安で購入できるが日本産のコメとは似て非なるもの
こちらは正真正銘の日本産のあきたこまち。マレーシアの輸入会社DOKA SDN BHDが運営する19代目 鈴木商店のオープニングセレモニーには「ミスあきたこまち」さんも来馬してアピールされていた。日本人の食卓に欠かせないお米の選択肢が増えるということだけでも朗報だが、さらに鈴木商店ではあきたこまちの玄米をその場で精米してくれるサービスも行っていて、鮮度の良いお米を購入することができる。
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2016年11月にモントキアラのPublicaにオープンした19代目 鈴木商店
早速、1.5Kgの玄米(RM30)を購入して家族で美味しくいただいた。マレーシアで精米したてのお米を購入できるのはここだけではないだろうか。洗練された日本の味が広くマレーシアの皆様にも受け入れられることを期待している。
Issued by 「マレーシア ソーシャルナビ 2017」