まだ食べていない野菜1
8日(日)曇り。これから雨の多くなる季節を迎えるのだという。日本人の帰国が相次いでいる。朝市の様子を見てもわかる。私も帰国まで10日余りとなった。朝一番のバスに乗っても間に合わないとのことで、すでにOさんの紹介でマレー人のタクシーを予約した。
7年後のオリンピックが東京に決まった。スポーツやゼネコン関係者には嬉しいニュースに違いなかろうが、私のように悲しんでいる人は?いると思われるのに、言えない雰囲気が日本を覆っている。原発事故が悪化して返上ということにならないとは言い切れまい。
毎日日本人がアジア各地でとんでもないことを暴くのは辛い。しかし、知らないでいいとは思わないし、アジアを旅する人々には知って欲しいと思う。虐殺事件の話はひとまずおいて、日本軍が占領下のシンガポールでどんな政治をやったのか、いくつか拾い上げる。
まだ食べていない野菜2
日本語が現地語化したものの中に、先日紹介したケンペイタイ(憲兵隊)とロームシャ(労務者)もその一つである。公式には「勤労奉仕隊」と呼ばれたが、現地の人々を無給の奉仕者である。14歳以上40歳以下の者、期間は2週間、応募者には白米2キロ支給。
応募者には「労務手帳」が発行された。当初は白米2キロに惹かれて応募する者も出たが、行ってみれば、10分の一の200g。ジャガイモ飯に塩といった粗末な食事。それに日用品代として一日50銭が支給された。仕事は港湾、ゴム園、道路工事、工場労働など。
労務の様子は「ロームシャが出勤すると、門の前にケンペイが立ち、直立不動で敬礼させられ、身体検査を受けた。女性も例外ではなく、時々イタズラされた。労働開始の前に宮城遥拝を行い、君が代を斉唱、軍隊式体操を強制、労働中はマレー人のスパイが監視。
まだ食べていない野菜3
休み時間や休日には花札賭博が奨励され、みんなそのことばかり考えるようになった。こうした厳しさに逃亡が相次いだが、見つかれば、ケンペイタイによる電気刑、ホースで大量に水を飲ませる、手の甲を煙草で焼く、東亜精神棒で殴るなどの刑罰を受けた」
2回目からは応募者が激減し強制連行が必要になる。その時、威力を発揮したのが占領直後に始まった「戸口調査票」(日本の戸籍)である。そこには所帯主氏名、年齢、性別、出身地、職業、住所などが記載され、職業欄に『無職、失業中』とあれば引っ張られた。
ところが日本の労務管理局長田村喜多男は昭南日報にぬけぬけと「彼らが技術を学習するのを助け、職業を探してやり、生活と仕事の状況改善を助け、彼らが給料を得られるよう世話した」彼らはシンガポールのみならず、これからスマトラやタイに送られる。
海外赴任時に必要な予防接種や健康診断が可能な全国のクリニックを紹介しております。