27日(日)今日は午後以前から注目している元外交官で国際政治学者の浅井基文氏の講演会を聞きに三条まで出かけた。期待通りの内容だった。私が氏を注目しているのは、尖閣列島が本当に日本の固有の領土と主張できるのかについて疑問を呈していることに対してである。
氏は、固有領土論を主張している共産党の志位委員長をも批判している。勿論外交研究者として、文献、しかも日本の明治期の外務省文書を精査しての批判だけに無視できないものだ。そういうことこそ日本の国会で論争があってしかるべきではないか。日本人だから固有領土論とはならない。
講演会はそのことではなく、安倍内閣の危険性について。演題は「安倍首相が改憲を狙う本当の理由―歴史書き換えと集団的自衛権行使―」で冒頭から私の胸にストンと落ちる話。つまり、安倍があの戦争に何の反省もないのは昭和天皇の「終戦の詔勅」に基づくのではないかと。
終戦の詔勅は 私も過去に読んだのに、読みが足らななかった。改めて読んだ。昭和天皇があの戦争に何の反省も示していないこと、安倍首相はこの終戦の詔勅に依拠していること。「米英二国ニ宣戦セル所以モ亦実に帝国ノ自存ト東亜ノ安定トヲ庶幾スルニ出テ他国ノ主権ヲ排シ領土侵スカ如キハ固ヨリ朕ガ志ニアラス」つまり、太平洋戦争の米英に対する宣戦は自衛のためのものであり、「大東亜共栄圏建設のためであり、他国を侵略する意図はなかった」と。
「戦局必スシモ好転セス世界ノ大勢亦我ニ利アラス・・敵ハ新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ・・」「神州ノ不滅ヲ信シ任重クシテ道遠キヲ念ヒ総力ヲ将来ノ建設ニカタムケ・・誓テ国体の精華ヲ発揚シ・・」どこにも反省や謝罪の言葉は見られないし、それは死までなかった。
この期に及んで「国体の精華の発揚(天皇制の発揚)」とまで述べていた。つまり、当時、最大の責任者として責任を追及されるかもしれないことなど、まるで念頭にない意識である。さらに、今日の資料に無かったが、「東亜ノ解放ニ協力セル」アジア諸国に遺憾の意を表するとある。
アジア諸国の気持ちなど顧みることもなく、約束した大東亜共栄圏が実現できずにごめんなさいということだ。マスコミが反省の言葉として宣伝した「堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲すス」を戦後、責任逃れに利用した男がいる。
満蒙開拓青少年義勇軍の発案者で所長でもあった加藤完治である。約10万人もの青少年を満州に送り4人に一人を死に追いやった張本人が戦後「陛下のおっしゃった太平を開かむを体して平和のために尽くす」などと戦争責任も問われず、平然と語っている。私は今日の講演会で改めて安倍内閣の危険性と昭和天皇の戦争責任を徹底的に追及する必要性を感じた。
*最近なぜかアクセス数が減ってきた。皇室問題には関心が薄いのだろうか。
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