原水タンクと冷却塔
30日(水)曇り。マスコミの堕落で、この情報過多の世の中でも得たい情報が得られない。だから、時々ネット上で探すことになる。日経ビジネスオンラインには時々これはと思う論文が載る。日経には教え子が一人いるのだが「基本的には体制寄りの会社」ですと。
でも産経よりははるかにまともだ。今月23日付、関橋英作氏の「老いのレッスン、欧米には、なぜ寝たきり老人がいないのか」である。これは6月20日付読売の「高齢者の終末期医療」記事を引用しての論考である。自分たちの将来のことと捉え、考えさせられた。
読売の記事はある医師夫妻がスウエーデンのストックホルムの介護施設を見学した時のもので、「なぜ、外国には寝たきり老人はいないのか」の疑問に「答えはスウエーデンで見つかりました。予想通り、寝たきり老人は一人もいませんでした。胃ろうの患者もいませんでした」
刻々表示される発電量
「その理由は、高齢者あるいは、がんなどで終末期を迎えたら、口から食べられなくなるのは当たり前で、胃ろうや点滴などの人工栄養で延命を図ることは非倫理的であると、国民みんなが認識しているからでした。そんなことをするのは老人虐待という考えさえある」
「ですから、日本のように、高齢で口から食べられなくなったからと言って胃ろうは作りませんし、点滴もしません。肺炎を起こしても抗生剤の注射もしません。内服投与のみです。従って両手を拘束する必要もありません。つまり多くの患者さんは、寝たきりになる前に、亡くなっていました」納得である。
この記事について関橋氏はそれでは欧米の平均寿命は長くないのかと思えば日本の1位はともかく、欧州の仏、伊、独、スウエーデンなども1~3歳差で続いていると。日本の寝たきり老人は00年120万人、25年には230万人と予想されているというのだ。
エサをついばむ白鳥の群れ
日本と欧米との違いは何なのかを分析。生活スタイルの違い、例えば畳とベットの差、家屋の差、狭い部屋でバリアフリーに困難、入院にしても欧米はすぐ退院させて、リハビリに回すので入院日数はデンマークで32日なのに、日本は48%の人が6か月以上だと。
このことが筋力の衰えや頭のボケを助長している可能性。日本の社会は階段だらけ、駅等、最近こそエレベーターがつくようになりつつあるが、エスカレーターも上りだけだったり。日本の社会にはそれを活かす知恵が欠けていると。市場機会が潜んでいるのに。
それ以上に大きいのはお年寄りを尊重するという道徳的な日本の在り方ではないか。私も同感である。むしろ虐待ではないか。私たち夫婦も胃ろう、点滴、抗生剤の注射等の延命処置を一切しないでほしいと娘たちに言ってあるし、書面にして残そうと話している。
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