神通川の清流が見えた
3日(日)曇り時々雨。原発を積極的に導入し、それを推進してきた自民党・中曽根康弘氏や今日の安倍政権に連なる人々、それを交付金欲しさに積極的に誘致をしてきた新潟県で言えば、県知事や柏崎市長、刈羽村村長並びに議員たちはその責任に口を閉ざしている。
なのに、研究者になって以来40年以上にわたって危険性を指摘し、やめるべきだと主張してきた京大原子炉実験所の小出助教は自分も含めて「騙されたあなたにも責任がある」と。まるで逆さまである。小出氏は「原子力をやめさせられなかった責任が私にはある」とおっしゃる。
小出氏は「私は政治には本当に絶望しきっています」私もまったく同感である。戦争中も毅然と闘おうとした人は殺されてしまった。しかし、「今は原発反対の声を上げても殺されません。刑務所に入れられることもありません」(今後が怪しいが=筆者)だから、声を上げ続けるべきだと。
中央アルプスの峰々
騙された一例として「原発はクリーンで安い電気だというウソ」クリーンだというウソは今回の事故で誰もが知るところとなったが、コストについては立命館大学の大島堅一教授がかなり前から「高い」ということを証明しているのに、マスコミが取り上げない。
マスコミはドイツの場合は「メルケルの決断」、アメリカが最近立て続けに5基の原発の廃炉を決定したことについて、シェールガスの出現などを挙げて日本と事情が違うかのような印象を与えている。競争原理の働いている国の企業のコスト計算は報じない。電力会社がやらないなら、マスコミは自分たちで計算して突きつけるくらいのことをやらないのか。
ドイツは独裁国家ではない、メルケルの決断は大きいが、実は政府がコスト計算で、将来、原発は採算が取れなくなるというデータに基づく説得が大きかったと、ミュンヘン在住の環境ジャーナリスト熊谷徹氏が何処かで書いている。日本は地域独占で競争原理が働かない上に総括原価方式で何があっても電力会社が儲かる仕組みになっているのだ。
川底の紅葉
国民に「安い」と説明している中味に明らかなウソがある。例えば、原発には揚水発電(原発はその機能上フル稼働せざるを得ない。需要の少ない夜、山の斜面に持ち上げ、昼間発電に回す)のコストが計算の中に含まれていないなだと。つまりセットなのだ。そんなことは知らなかった。
新しい原発と古い原発はコストが違うのに、コスト計算には平均化された数字しか入っていないと。今後どれほどの費用がかかるかも予測のできない廃炉や廃棄物処理の費用(バックエンドコスト)が過小評価され、建設につぎ込まれた交付金(税金)も入っていない。
大島教授の計算では原発がスタートした1970年から現在まで、どの時期を見ても原発はいつも火力よりも一般水力よりもコストが高かったのだという。最近マスコミが取り上げる原発停止による燃料費高騰も安定供給を理由に米国の8~10倍高く買い込んでいると。みんな騙されてきたのだ。その責任を自覚しようではないか。
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