どう調理するのかバナナの花
21日(木)曇。安倍内閣の歴史の偽造、歪曲は許しがたい。私は安重根の伊藤暗殺を決して褒め称えるものではないが、日本が朝鮮半島に対して行ってきた数々の所業、先人たちが積み上げてきた和解への努力を思って「犯罪者」と断定していいのかと問いたい。
そもそもこの事件の舞台は中国黒竜江省ハルピンで伊藤はロシアの大蔵大臣と中国領土である満州の経営について交渉するために列車で到着している。当時伊藤は日露戦後に第二次日韓協約によって韓国の外交権を奪った後、初代統監の地位にあって意のままだった。
安重根は3発発射(7発説も、室田貴族院議員の証言が正しければ室田に、伊藤は建物の2階から撃たれた=歴史家・故ねずまさし説)後、逮捕したロシア官憲に自分から拳銃を差し出した。この話は釜山の安重根記念館で館長から直接聞いた。だから暗殺ではなく射殺だと。
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ロシア官憲が逮捕するのもおかしいし、その後日本の官憲に引き渡され、日本の裁判所で裁くのもおかしいではないか。いかに日露両国が帝国主義丸出しで中国、韓国の主権を蹂躙していたかということだ。関東都督府のあった旅順は日露戦後のポーツマス条約で日本が一旦奪った地である。
安重根が処刑された時の都督・大島義昌は安倍晋三の高祖父にあたるというから、この問題の安倍政権との因縁の深さを感ずるし、今後韓国でも問題になるのではないか。ただ、この刑務所での日本人看守千葉十七や刑務所長・栗原貞吉との心温まる話にはほっとする。
私は韓国併合を教える時、安倍一族に連なる悪者ばかりではなく、素晴らしい日本人もいたということを教えてきた。安は処刑直前「東洋に平和が訪れ、韓日の友好がよみがえったとき、生まれ変わって又お会いしたいものです」と語った。千葉は終生安重根の供養を続けたという。
部屋内をはう下水管
当時旅順典獄(刑務所長)だった栗原貞吉も安重根に心を寄せた人物で、上からの命令に反して、煙草を差し入れ、裁判長に助命嘆願までした。安が願い出た「執筆中の東洋平和論を書き終えるまで処刑を待って」との願いは受け入れられなかったが、死に装束の白装束を贈っている。
今回の官房長官発言は、韓国が中国ハルピン駅に安重根記念碑を建てることを中国政府に要請したことによる。日本政府がこれに抗議したり、犯罪者呼ばわりすることにどんな道理があるというのか。従軍慰安婦像の問題同様、日本の暗部が明るみに出るだけだ。06年に一度建てられたが、中国の要請で撤去した経緯がある。
日本人だから自国の官房長官発言を支持し、安重根や韓国政府を非難しなければならない道理もない。同じ地球上の人間として、同じアジア人として正義のために命を捧げた人間に同情の念を禁じ得ないし、尊敬の念さえ感じる。安の言いたいことは何だったのか、次号に譲る。
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