ライチではない似た果物
22日(金)私のブログに40代、20代の教え子たちが激励のコメントを寄せてくれることが嬉しい。秘密保護法は直接対象になるのは私のような年寄りではなく、孫子の世代になるのだから。私がいくら喚いても、政府は痛くもかゆくもなく、犬の遠吠えに過ぎない。
安重根は日本官憲の取り調べに対し、伊藤を狙った15項目の理由をあげた。特徴は日清戦争後から韓国に対して伊藤が果たした役割を「伊藤サンハ・・」という言葉で、怨念を書き連ねている。その第一項目目が日清戦争で台湾を領有した年の王妃暗殺事件である。
この事件について安は「伊藤さんの指揮にて」とあるが、当時の韓国駐在の三浦梧楼公使(当時大使はなく公使が最高位)の指揮によって王妃・閔妃を襲い、凌辱の上殺害、放火した事件のことである。伊藤は当然承知していたはずである。政府はかばい切れずに三浦を含む関係者8名を逮捕、広島で投獄。
ドリアンの天ぷら
しかし、ほとぼりが覚めるのを待って、翌年釈放された。その他、安が挙げた伊藤の罪状は1904年の第一次日韓協約を強要し、財政、外交の顧問に日本人をつけさせたこと、05年には外交権や司法権を奪ったこと、皇帝を廃位にしたこと、軍隊を解散させたことなどである。まさにこの時期、05年に竹島を日本領土(島根県)に編入を宣言したのだ。つまり、韓国側に反論の余地も機会も許されない状況での領有だったということだ。
おや?と思う項目もある。14項目目に明治天皇の親・孝明天皇を「伊藤サンガ失イマシタ」と、当時あった孝明天皇暗殺説に伊藤が関わっており、しかも、そのことは韓国民がみな知っていると書いている。安重根が何を根拠にしてこれを挙げたのかは私には分からない。
最後の項目には「伊藤サンハ」韓国民が憤慨しているにもかかわらず、日本の天皇や世界各国の皇帝に「韓国ハ無事ナリトイウテ」騙していると。こうした安に対し、日本の右翼が「愛国者」と評価し、北朝鮮が両班(貴族出身)を理由に否定的なのには笑ってしまう。
公園の時計台
いずれにせよ、安重根の処刑後、日本政府はこれを口実に韓国併合を加速、翌年、1910年8月、当時の総理大臣李完用に併合条約に署名させた。その第一条に「韓国皇帝陛下ハ韓国全部ニ関スルイッサイノ統治権ヲ完全且永久ニ日本国皇帝陛下ニ譲与ス」とあった。
つまり、韓国皇帝が自らの意思で自国を日本国天皇に差し上げますという条文である。驚くことに、櫻井よしこ氏をはじめ安倍政権に連なる人々が、この条文を以て「韓国併合」は合法的に行われたと主張していることである。そして、道路も港も造ってあげたと。これを居直り強盗と言うのではないか。
併合時の統監・寺内正毅は宴会の席で「小早川加藤小西が世にあらば/今宵の月をいかに見るらむ」と詠んだという。加藤清正らが果たそうとして果たせなかった朝鮮征服の夢を自分が果たしたという訳である。併合後、寺内は初代総督に就任し、義兵討伐を命ずる。
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