たくあん用の大根干し
8日(日)予報はずれで青空が広がる。庭の冬囲いをして45分歩く。今日1941年12月8日は太平洋戦争(対英米仏蘭)開戦の日で、すでに中国侵略を開始してから10年が経っていた。この対中戦争の泥沼化から活路を開くために東南アジアに戦域を広げようとする無謀な戦争を始めたのだ。
たまたまつけていたNHKで1時50分から1時間10分にわたりアーカイブス「司馬遼太郎からのメッセージ・なぜあの戦争を始めてしまったのか」をやっていた。司会、コメンテーターとも新潟出身の桜井洋子と半藤一利氏だった。安倍晋三に見せたい内容だった。
司馬遼太郎は左右から批判されているが、私を含め根強いフアンがいる。私自身も作品によって評価が違う。一番好きなのは「竜馬がゆく」で、あの小説を使って明治維新の授業を組み立てたこともある。西郷や伊藤ではなく、坂本竜馬が政府の中心ならよりましな近代国家が実現した?と思わせる。
ツバキしか花はない
司馬の原点は学徒出陣で渡った満州で日本軍のデタラメ振りを見たことにあると。今日の番組で作品以外の司馬遼太郎を知り大変勉強になった。雑誌編集者として交流のあった半藤一利氏は、生きていれば最後の仕事は「大本営の実態を暴くノモンハン事件」に挑戦するはずだったが・・。
なぜかと言えば、番組中、司馬自身のインタビューが何回か出てくるのだが、日露戦争で日本が勝利したことで日本が、いや日本人がダメになったと。氏は昭和の歴史に否定的である。それがはっきり表れたのが対中戦争での参謀本部や当時の政治家を見ればそれがわかると。
司馬自身の言葉によれば「なぜこんな馬鹿な戦争をする国に生まれたんだろう?いつから日本人はこんな馬鹿になったんだろう?昔の日本人はもっとましだったにちがいない」と考えた22歳の自分に手紙を書くようにして、30歳を過ぎて小説を書くようになったと。
散歩途中の小学校
司馬が「馬鹿な戦争、馬鹿な日本人」と書いたあの昭和の時代を安倍晋三や櫻井よしこ等は讃美しているのだ。どこが馬鹿かといえば、世界が見えない、人民が見えない指導者だったと、指導者が情報を国民に隠す装置を作りあげて戦争に突入したと。今の状況そっくりでは?
なぜ、左右から批判されるかと言えば、右からは先の戦争の否定について、左からは明治をあまりに明るく、評価しすぎだと。さらに、そのことで自由主義史観論者が明治史観を引用したりして持ち上げることに手を貸していると。その面は確かにあるが・・・。
奥さんも登場し、ノモンハンの史料集めは徹底しており,書く準備はしてしていたが、結局は書けなかったと思うと。一緒に見ていた家内は「秘密保護法の前に放映してくれればいいのに」全くだが、恐らく今日の開戦の日に合わせたのだろう。司馬が存命なら秘密保護法案には反対したことは疑いない。
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