やはり民族衣装はその民族のもの
23日(月)曇り。今日は天皇誕生日。昭和天皇の戦争責任は免れないが、現天皇は敗戦の時11歳。私より10歳年長である。現天皇皇后両陛下の国民へのメッセージには注目してきた。とりわけ、憲法に対する発言には、当然とは言いながら真摯な態度を感じる。
即位の際にも憲法第98条の「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負う」規定に従って、「私はこの憲法を守り・・」と発言し、右翼をギョッとさせた。今日も「今後とも憲法を遵守する立場に立って、事に当たっていく行くつもりです」と述べた。
安倍以下現在の安倍内閣の面々は天皇の発言をどう聞いたのか。天皇は単に憲法の規定に従っただけではない。「戦後、連合国軍の占領下にあった日本は平和と民主主義を守るべき大切なものとして日本国憲法を作り、様々な改革を行って今日の日本を築きました」と。
「当時の我が国の人々が払った努力に対し深い感謝の気持ちを抱いています」この文脈から言えば、天皇は日本の敗戦という事実を受け入れ、その反省の上に立って戦後の国民の努力に心を寄せているのだ。安倍晋三や櫻井よしこの歴史観とは雲泥の差ではないか。
自民党の改憲案では98条から天皇及び摂政が削除されている。天皇を元首に据え、自分たちの考える独裁政治は、現天皇の考えとは明らかに違う。オリンピック招致に高円宮妃が関わったことにも、第4条の「国政に関する権能を有しない」との関係を深く考えたと。
美智子皇后が今年の誕生日の談話もこのブログで一部紹介したが、もう一度詳しく取り上げよう。全文を伝えたのは東京新聞である。東京あきる野市の五日市を訪れた思い出を語り、「明治憲法の公布(明治22年)に先立ち、地域の小学校の教員、地主や農民が寄合い、討議を重ねて書き上げた民間の憲法草案で、
基本的人権の尊重や教育の自由の保障及び教育を受ける義務、法の下の平等、更に言論の自由、信教の自由など、204条が書かれており、地方自治権等についても記されています」このような民間草案が全国40数箇所でつくられたと聞いたと述べたことに続けて、
「近代日本の黎明期に生きた人々の政治参加への強い意欲や、自国の未来にかけた熱い願いに触れ、深い感銘を受けたことでした。(中略)世界でも珍しい文化遺産ではないかと思います」なんとまともな歴史認識ではないか。五日市憲法案は安倍が称える明治憲法とは対極にある。
安倍や石原慎太郎は戦争への反省がないから「押し付けられた」と感じるのだ。美智子妃は現憲法がまさに日本人が自らの手で書き上げた五日市憲法案を今の憲法に匹敵する、いやそれを上まわる内容であることを高く評価されているのだ。安倍君読んだことある? ないだろうな。
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