高速バス
25日(水)着工から28年も経て1兆数千億円をかけても事故続きで稼働しない施設を、福島事故を経験してもなお、来年度予算を増額してまで固執する理由は何なのか。もんじゅの稼働によってさらなる高レベル廃棄物を生み出すことになる施設の無駄とは一体何か。
先ずはもんじゅの歴史をWikipediaによって整理しておく。もんじゅは言うまでもなく「文殊菩薩」から採ったものだが、仏教界の一部から批判も出ている。本体工事に着工したのが1985年で95年に発電開始した直後にナトリウム漏れ事故を起こし15年間停止した。
10年に運転を再開した3か月後に原子炉容器内の落下事故を起こして停止。12年には新規制委員会から9679個の点検漏れを指摘され、その後29000個に増え、今年5月29日に作業停止を命じられている代物である。その間、高裁金沢支部で設置許可無効判決も。
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今まで何度も書いてきたが、立命館大学の大島堅一氏が「原発のコスト」(岩波新書)にわかり易く書かれているので、引用させていただく。バックエンドコストは政策によって変わる。使用済み燃料の処理処分には大きく分けて二つの選択肢があるという。
第一は直接処分するという方法。捨てると言っても、使用済み燃料は危険な放射性廃棄物であるので、特殊な処分方法が必要である。(ガラス固化体の話を書いた)第二は使用済み燃料を再処理し、プルトニウムを取り出して、もんじゅで燃料として使う方法である。
日本の45トンともいわれるプルトニウム(原発の原料=6000発分)は再処理工場やもんじゅが動かないまま、原発を再稼働させれば増え続ける。だから動かす必要があるのだと、自民党は主張しているのだ。一方で麻生や安倍のように保有自体が核抑止力になると。
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こっちが本音だという説もある。石原などはそれを公然と主張する。つまり、将来の日本の核武装が想定されている。安倍政権が長期化すればやりかねない。もんじゅを断念すれば、少なくとも再処理費用は必要なくなるわけだから、コスト的には経済的なわけだ。
核燃サイクルを夢のエネルギーなどと宣伝してきたが、真っ赤な嘘で、今直ちに断念したとしても、再処理工場ともんじゅは一度稼働した以上、その施設自体が高レベル廃棄物として残ることを理解すべきだ。今あるガラス固化体を管理するのに数万年を要する。
日本列島が現在のような形になって、まだ3万年程度である。日本列島のような若くダイナミックな土地で高レベル廃棄物が安全に処分できるとは思われないと、大島教授は言う。原発がエネルギーコストとして安上がりとはとても言えないとも大島氏は言う。
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