滅多に見ないやもり
10(日)海外行きには慣れたといっても、出発が近づくと、緊張感は徐々に高まってくるものだ。最後に歯科に点検に行き、市役所に転出届を提出するだけである。靖国問題は日本の政治状況や日本人の歴史認識が変わらない限り続くことになる。どうにもならない。
安倍首相は親米派を自認し、靖国問題でここまで米国に言われるとは予想しなかっただろう。しかし、考えてみれば米国のみならず、戦勝国に属する欧米諸国が戦後のサンフランシスコ体制を否定するような歴史認識を受け入れるはずもない。安保や経済的打算で控えていただけだろう。
米国は打算を優先させ、水面下で靖国参拝断念を迫ってきた。それを読めない安倍は自己の信念と自己満足のために参拝した。昨年10月に来日した国務長官と国防長官が揃って千鳥が淵墓苑に献花し、戦争の犠牲者に追悼の意を表すなら・・ここがあるじゃないかとのメッセージだった。
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アメリカの懸念は「尖閣諸島で緊迫した状況になった場合、理性的な対応ができるのか、わざと中国を挑発するような行為に走らないと言えるのか?大局的判断よりも自分の思い入れにこだわる指導者を米国は信頼できるのか?日本リスク論が広がっている」と。日本人の不安も実はそこにある。
米国の反応に驚いたのは安倍だけではない。櫻井よしこも同様で「アメリカよどうしたのだと尋ねたくなる」そうで、アメリカの失望に「失望と懸念」を表明し、「尖閣問題でアメリカは日本領土だと宣言すべきだ。首相は3度も「不戦の誓い」を言っているのに・・とぼやいている。
昭和天皇が靖国参拝をやめたのは75年以降だが、A級戦犯が合祀されたのが78年だから、櫻井よし子らはこの事実をもって戦犯合祀との関係はない、宮内庁長官のであった冨田メモ(天皇がA級戦犯の合祀が理由で行かないとの天皇の言葉)は偽物だと主張している。
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そもそも、天皇が靖国神社に毎年参拝していたわけではない。櫻井は意図的にそのことに触れない。特に天皇は松岡洋右が気に入らなかったようだ。これは私の勝手な推測だが、東条や松岡に頭を下げることは、自分の責任を問われるような嫌悪感を抱いたのではないか。
即時開戦を主張する強硬派の陸軍大臣・東条英機を首相に任命したのは内大臣木戸幸一の進言によるものだが、「極めて宜く御了解あり、所謂虎穴に入らずんば虎児を得ずと云うことだねと仰せあり、感激す」と木戸は日記に記している。まさに天皇の意思だった。
外交による関係打開のメドを12月初旬とすると決めた12月2日の大本営政府連絡会議の決定について、天皇はすべてを聴き終え、最後に「日本は止むを得ず米英との開戦を決意しなければならぬのかね」と述べはしたが、断固として開戦はならぬとは言わなかったのだ。
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