ある日の夕食
21日(金)晴れ。昨日は本当に珍しく一日中雨だった。昨日の森元首相の浅田真央さんに関する発言が非難を浴びている。当然のことだ。マスコミはオリンピック組織委員会会長職の辞職を迫るべきではないか。まだ演技半ばで、自分の発言が本人の耳に届くことは当然想像できたはずだ。
そもそもこんな下品でお頭も弱い人物が日本の総理大臣経験者であることも信じられない。前にも書いたが、都知事選の最中に、原発再稼働がなければオリンピックを返上しなければならないと、国民を脅迫するような発言もあった。昔から「日本は神の国」等失言、放言の常習犯である。
森元総理と言うのも恥ずかしいが、彼は安倍晋三の後見人を自称し、安倍政権誕生に隠然たる政治力を行使した人物でもある。常に上から目線で、NHK会長や経営委員の発言と軌を一にする。「メダル噛むな」の竹田恒泰発言なども、全て安倍政権の姿勢に繋がる一連の発言ととらえるべきだ。
ナシレマ
彼らにとってのオリンピックとは日の丸、君が代のためのものであり、さらに言えばそれによって転がり込むゼネコンなどからの利権にありつくための手段でしかない。だから、平気で選手を貶めるような発言をする。どうしてこんなことが国民に見えないのだろうか。
日本人の劣化を示す典型例ではないか。想像力の劣化ともいえるか。中国の毒餃子事件や電車転覆事件などありうべからずデタラメ振りを日本は国を挙げて笑いものにしたが、他人の国をそんなに笑っていられるほど日本は立派なのかという企業の不祥事が続発している。
香山リカ氏が揚げているのは02年に発覚した雪印乳業、全農チキンフーズ、ダスキンなどの食肉偽装事件、07年に発覚した不二家が期限切れの牛乳を使用していた事件、その後も、昨年、阪急阪神ホテルに始まりヒルトンやプリンスホテルでも偽装が明るみになった。
サボテン?
追及されれば、「偽装ではなく誤表示だった」と居直る。モラルの劣化は今や個人にとどまらず、企業人や医療人にも及んでいるという。そういうモラルの劣化した人間が中教審や様々な審議会の委員となり、「愛国心」や「道徳教育の強化」「美しい国」等と叫ぶ。
香山氏はこうした劣化の本質的な原因は世界中を席巻した「新自由主義」だと。これは言うまでもなく、経済への政府の介入を縮小し、規制緩和を通じて従来、政府が担ってきた機能を市場に任せようという考え方だ。別な言い方では競争主義、成果主義となろう。
その結果はNYの犯罪学者ジョック・ヤングによれば「包摂型社会から排除型社会へ」の転換が行われつつあると。具体的には、「下層の人々を目の届かない場所排除しようとする。貧しい人々は十分な教育や健康保険、法的権利を与えられないか無視される」今日本で進行中の話ではないか。
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