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アファマティブアクションとダイバーシティーとフィッシャー・ケース1

いろんな種類の人間が住む、非常にややこしい国、アメリカ。。。


アメリカに住んでいると、「あちらを立てればこちらが立たず」的な問題に、たびたび遭遇する事に気付きます。ガン・コントロールがいまだに出来ないのも、このアファマティブアクションがたびたび話題になるのも、新しいルールを作ろうとすると、もともとの法律(アメリカ合衆国憲法の権利章典)と相反するからだったり、またそのため、作ったルールを覆すような結果になったり。。。ややこしや~ややこしや~。って感じになるんですね。


今回、ミシガン大でのアファマティブアクションの廃止が米最高裁判所により法律に*「抵触されない」と判断された記事を読んで、誰もが一瞬喜んだり、異議を唱えたり、すったもんだの大騒ぎをしなければならなのも、このややこしい、互いに相反する法律(権利)と現実問題とのギャップのためだと思います。

*抵触されない=矛盾していない


米最高裁、ミシガン州のマイノリティ優遇策廃止に合憲判断


そもそも、色んな権利が認められている、「自由の国アメリカ」と言うのが素晴らしくもあり、ややこしくもあるんでしょう。みんなに権利が与えられている以上、全てを立てられないと言う現実的な壁にぶつかる訳ですよね。昔、私のスペイン人のお友達がケセラセラと、「皆を幸せにするのは、ほとんど不可能!しょうがなーい!w」なんて言っていましたが、まさにその通りな事が起こるのが現実。笑 法律を解釈しようとする時、「あちらを立てればこちらが立たない」の矛盾が生まれる時だってあるのです。


しかし、アメリカの人種問題がなくなる日が来るのだろうか?とマーティン・ルーサー・キングJr.氏の「I have a dream スピーチ」を思い出すのですよね。


I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by... 続きはウィキで。


(私には夢がある、それは、私の4人の子供たちが、彼等の肌の色ではなく、彼等の持つ人格で評価される国家に、いつかきっと住むと言う事)


アメリカに住んでいない人のために、もう少し詳しく話しますと、ご存知、このスピーチは1963年の8月に行われた「ワシントン大行進」でのキング氏のスピーチで、公民権運動に大きな影響を与えました。20世紀以降のアメリカにとって、とても影響力を持つスピーチだったと思います。先ほど話しました、権利章典の修正第14条に基づく「公民権の定義」の中の「平等な権利」をバックアップするようなスピーチですよね。


私が大好きな、リンカーン大統領のゲティスバーグ・アドレスの中のAll men are created equal.と言う有名な言葉。これに非常に近い、且つ、もっと身近な感じのするスピーチで好感度抜群なキング氏のこのスピーチは、私も、そうだ!そうだ!と応援したくなる考え方です。


しかし、よーく考えてみると、マイノリティー(特に黒人)を優遇する対策のアファマティブアクションは、この平等な権利に反してはいないでしょうか?肌の色の違いで優先順位が決まるって。。。あれ~?いけないんじゃないの~?ってなりますよね?ここがややこしいところなんです。


法律では人種や宗教に関係なく、、、と言っているのに、大学のアドミッションで、なぜ黒人が優遇されるんや!と言いたくなる黒人以外の人種の人も、たくさんいるわけです。実は、私もそう思う一人です。子供たちも、そりゃ、リバース・レイシズム(逆人種差別)だろ!と言うくらいで、肌の色の事を気にしないで普段生きている人(差別しない人)は、特にそう思うのだと思います。だって、同じ人間でイコールじゃなきゃダメじゃん!?ってね。


アメリカには階級制度はありませんが、ソシオエ・コノミック・ステイタス(クラス)と言うのがあり、家庭収入や学歴などによって分かれるステイタスで、おおまかに、ボトム、ミドル、アッパーミドル、トップ10%、トップ9~5%、トップ4%~2%、トップ1%と分かれます。うちはきっちり、ミドルクラスに入ります。


アファマティブアクションで問題になる人種問題はマイノリティーと大きく囲まれて言われてますが、主に黒人に対してだと思います。なぜなら低所得のボトムクラスの黒人の割合は、やはりどの人種より多いのだと想像します。(実際のナンバーは知りません)


しかし、実際にアメリカに住んでみると分かるんですが、黒人も人それぞれで、50~60年代から比べれば、とても良い暮らしをしている黒人も沢山いるんですよね。私達の世代はその時代の流れを、日々の暮らしの中で感じる世代だったんじゃないかと思います。


余談ですが、うちの子供たちの通う学校の黒人家庭のほとんどは、白人とアジア人のカップルの私たちよりおそらく、学歴が高く、共働きで家庭収入も今現在の私たちの収入より多く、なんたって、車もいいの持ってますし(BMW、フェラーリ、メルセデスetc...)、家だってうちよりグレードの高い家に住んでいます。が、確かに人数は白人に比べると非常に少ないです。文字通りマイノリティーです。が、しかし、どうでしょう?優遇される必要性はあるんでしょうか?同じコースを取って、同じ様にクラブに参加し、同じようにコンペティションに出れる環境で、どこに差があるのか???(うちよっか良いじゃん!w) それが肌の色だけだと言われたら、、、とここで、先ほどの権利章典の14条がでてくるわけです。


うちのようなミドルクラスの集まるコミュニティーではそのような矛盾がありますが、かたや、低所得のコミュニティーに住む黒人は???大学どころか、生き残ることだけでも大変な環境の子供たちもいますし、この前のIVYリーグ全てに受かった黒人青年なんて、ランキングにも出てこないような高校から、優れたSATスコアー、GPAで、その他もろもろの、IVYリーグが喉から手が出るほど欲しいキャラクターを持った素敵な青年だったわけですよね。そう、どうしてその青年がそれほどにも魅力的か?


それはダイバーシティー!


これ!大学のアドミッションにおける、ダイバーシティーとアファマティブアクションは切っても切れない関係なのです。ここでも、あちらを立てれば、こちらが立たない現象が起こり、今度は大学側が、なんでやねん!となるんです。折角良い方法だと思っていたのに、「アファマティブA」を使えないの?とダイバーシティーの特効薬だったアファマティブアクションが使えなくなったら、困るのは大学のアドミッションの人達。。。ここでも、都合が悪い事が発生しちゃうから、大騒ぎになるのです。    



次に続きます。

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