細川元首相とツーショット
3日(月)快晴。夏のような猛暑が続く。以前このブログでも何度か紹介したのだが、森の長城プロジェクトという、震災瓦礫を活用して、被災した三陸海岸300~400キロにわたって9000万本の植林を行い、20年後に立派な森をつくろうというプロジェクトである。
私がいろんなところで話しても、案外知られていないことに驚く。改めて紹介する。是非、広めていただきたい。このプロジェクトは震災の翌年、12年5月に公益社団法人として発足。発案者は植物生態学者・横浜国大名誉教授で世界1700か所で4000万本の植樹をされてきた宮脇昭氏である。
理事長はこの提案に賛同した元総理大臣・細川護煕氏であるが、宮脇氏(86歳!)は副理事長。その他、理事や賛同者に脚本家・倉本聡氏、ノーベル賞学者・江崎玲於奈氏、秋元康氏、瀬戸内寂聴、加藤登紀子氏等がいる。私はこの運動に感動し、すぐに苗木を寄付。
7000人であふれた植樹祭
私が感動したのは宮脇氏の植林に対する確信に満ちた信念である。氏は震災直後、すぐに三陸の海岸線の植林の被災状況を調べて歩き、瓦礫を活用できること、松ではなく、縄文時代以来の地元本来の森、タブ、シイ、カシなどの常緑樹を活用して鎮魂の森にするのだと。氏に対して、同じ学者仲間から批判があるらしいが、私には理解できない。何より説得力があるのは、実績である。
震災瓦礫(勿論環境省が定めた基準以下の材木やコンクリート等)を活用して、高さ5メートルほどの人工のマウンドを作り、その上に植樹をする。あくまで減災という考えの基に、遺品ともいえる瓦礫をゴミではなく、津波から人々を守る防波堤・防潮堤の命の森にするのだと。
私は昨年からこのプロジェクトの呼び掛けに応じ、植樹祭に参加している。今年も5月31日(土)宮城県岩沼市で行われることになり、家内と二人で参加してきた。5000人募集の会場に7000人が溢れた。今回は7万本の苗木を植樹。これまでと合わせ、13万本に。
植樹をほぼ終えて
2年間で13万本では遅すぎる。これこそ国家プロジェクトにすべきなのに、国や自治体が出しているのは人口のマウンドの建設資金だけらしい。宮脇氏は瓦礫が必要になるから県外に出さないでと訴えていたのに、九州は福岡まで搬出して運搬業者や土建屋を潤した。結局放射能を拡散し、業者に儲けを配分しただけではないか。
苗木(一本500円)は法人や国民に呼びかけて、寄付に頼っている状態である。このままでは9000万本の植樹には10年以上を要する。一方で私たちが植樹していた海側にコンクリートの防潮堤が建設中だった。必要な部分はあるに違いないが、私には土建屋のための防潮堤に見えた。
体調を崩したと伝えられていた細川氏は欠席と思われていたが、会場に現れ、家内はツーショットで写真を撮らせていただいて大喜び。都知事選の結果もあってか、氏の挨拶はなかった。しかし、政府も無視できないのだろう、小泉進次郎復興政務官が挨拶に現れた。その時の様子は次号で。
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