3年経ってもこの姿
13日(金)霧雨、風強し。今朝のような日は傘を持って歩く。数日前、ネット上にフランス経済学者トマ・ピケテイ著「21世紀の資本論」という本が、欧米とりわけ米国で大反響を起こしていると。その中で、日本のアベノミクスは格差社会を助長するとあるそうだ。
言われなくても、連日のように打ち出される政策、集団的自衛権論議の陰に隠れて、法人税の引き下げ、労働規制緩和で残業ゼロ、公務員の扶養手当廃止、年金の減額、高齢者医療のさらなる負担増等々、大企業や金持ち優遇政策の連続で取りやすい所から取る庶民いじめばかり。
専門家もそれを指摘し始めたということか。原文を読んでみたいが、訳書が出るのは数年先らしい。そこまでこの政権が続いたら目も当てられない。さて、石原都政の教育改悪を詳しく紹介したいのだが、ネタ本の著者渡部謙一氏は石原と同じ年に久留米高校の校長に就任。現場でもろに苦悩させられる。
3年経っても・・
石原及び彼が任命した「特別な教育委員会」(米長委員の表現)は学校の職員会議を敵視した。まるですべての学校の職員が日教組の指令によって動いているかのようなイメージを世間に振りまき、日教組悪玉論は成功したと言っていい。実態は後日報告することに。
校長権限とリーダーシップの強化をうたい、①職員会議を補助機関化と明文化。②主任を校長の任命から教育委員会による任命に③教頭を所属職員を監督する④校長権限を阻害するような「校内内規」の見直しと破棄。当然のことながら、これが校内の対立を深めた。
管理運営に関する規則改正で、職員会議の開催は校長の意向次第とし、その運営も校長権限で行う。その機能は校長の方針を周知させる。校長が決定するにあたって職員の意見を聞く。校長権限の拡大に異議はないが、あくまで自立した校長が前提である。
3年経っても・・
私と同じ年である渡部氏は一度の組合に属したことがないらしい。今は珍しくないが、当時としては逆に勇気のいることだっただろう。渡部氏は「職員会議は協働を作り出す場、最大の研修の場だと思ってきたと書いておられるから、極めて真っ当な教師だったのだ。
その氏が退職してまで石原都政の教育政策の誤りを正そうとしているのだから、いかにひどい内容だったかということ。規則には「校長への権限移譲」と書きながら、実際には校長には何一つ判断させず、教委の言うままに職員に従わせるリーダーシップを発揮せよと。
運営規則は何度も改正され、その傾向は強まるばかり。とうとう06年の改正では「所属職員等の意見を聞く場合においても『挙手』『採決』等の方法を用いて職員の意向を確認するような運営は不適切であり、行わないこと」という通知に。これは新聞で大きく報道された。私もタイで読んで憤慨した。
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