教科書選定委員は秘密
21日(土)山田論文は続く。財界は88年に起きたリクルート事件をきっかけに政治献金を廃止した。小泉政権以来、完全に復活した。政治献金も政党交付金も受け取っていないのは共産党だけだ。政官界の癒着も元に戻ったと。トヨタの副社長は元エネ庁長官だ。
この小平信因氏は80年頃は経産省の自動車課の課長補佐で、トヨタの経営に関わる事は官僚として人生の到達点だったのではと。1兆円も儲けながら、税金ゼロはトヨタだけではないと。安倍政権は16日、法人税の実効税率を現行の35.64%から20%台に引き下げると。
山田氏は「国家財政の非常時に、なぜ法人税だけ優遇されるのか」と問い、1%下げると国庫は5000億円の減収になる。10%で5兆円。来年消費税を引き上げても、帳消しになる計算だ。今世紀に入り、企業が儲けても給与総額は減り、内部留保や配当は増えていると。
調査委員も秘密
異論は財務省からさえ上がっているが、安倍の取り巻きは経産省出身者が多く、財界の言い分が反映しやすいのだとか。法人税引き下げなら、優遇措置の見直すことが必要との声は今も政府税調内にもあるが、逆に「外形標準課税」の名で中小赤字企業への課税の案が出る始末だ。
話を再び教科書問題に戻したい。国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」が毎年発表している世界各国の「報道の自由度ランキング」で今年日本は53位から59位に下げたという。下げた理由は福島事故の取材制限と特定秘密保護法案の成立が大きく影響したということだ。
先進国OECD30か国中最下位であることは勿論、中南米のジャマイカ、コスタリカ、旧東欧のチェコやポーランドにも大きく劣り、アジアでは台湾や韓国にも劣る恥ずかしい状況である。報告書には外国人の福島取材に政府が圧力をかけたとか、記者クラブ制度も自由な取材を妨げるの要因だと。
シンガポール中学歴史教科書
ちなみに自由度1位は先号まで取り上げたフィンランドである。それは教育現場を見れば明白になる。何回かにわたり、私が関わった新潟市の教科書採択の実態について告発する。秘密主義の極致ともいえる。過去にも何回か取り上げたが、再度お読みいただきたい。
私が日本の教科書の異常さに改めて気づかされたのはシンガポール赴任中、日本の教科書問題が国際問題化し(81年末)、それに抗議する形でシンガポールの中学生用歴史教科書が1年間で書き直され、日本占領時期の記述が大幅に増えたことである。たった1年で!
調べてみて分かったことは、シンガポールは日本より報道の自由度が低い国にも拘らず、教科書検定がなく、自由発行だからである。日本の教科書は執筆の段階から、検定を経て、採択に至るまで、あらゆる場面で国家(文科省、教育委員会)の介入を許している社会主義国並みの異常な国家なのだ。
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