IPOH一の飲茶店
15日(火)毎日不愉快なニュースが続く。沖縄密約文書の開示を求めている元毎日新聞記者・西山太吉氏に対し、一審の東京地裁は開示を命じたが、高裁は逆転判決。最高裁がこれを追認したのだ。その理由があり得ない。「国が文書を保有していたとは認められない」
何を根拠にそんなことが言えるのか。不愉快な理由がまだある。「文書の存在は不開示の決定時に取り消しを求めるものが立証責任を負う」というのだ。そんなことができるはずがない。ドイツでの行政裁判では立証責任は常に行政側にある。これが先進国の常識だ。
今私の教え子でドイツ人の女性法律家が日独法制史の研究を東大でやっている。今週末我が家に来るので、その辺をじっくり聞いてみたい。日本は明治以来法律は勿論、政治制度や最近では介護制度までドイツを手本にしてきたはずなのに、今は似ても似つかないものになっている。その理由も後日探りたい。
朝から満席
沖縄石垣市竹富町の教科書問題は完全に決着したかと思っていたら、まだくすぶっている。単独採択区になった竹富町に対し、石垣市や文科省が教科書調査員が不足し、十分な調査ができないのではないかとケチをつけている。これはまさに文科省によるいじめに他ならない。
そもそもこの問題には石垣市長・中山義隆(証券会社、市議を経て市長になった。(安倍政権以前から安倍晋三を尊敬し、櫻井よしこが支援する人物)が火をつけた気配がある。この男、宮古島に自衛隊の基地誘致に狂っている。教科書調査員が不足なら私のような教員OBや大学の教員に委嘱すればいいことで、その方がむしろ第三者的な公平さが保障される。
車中のラジオで聞くとはなしに国会中継に耳を傾けていたら、自民党の島尻某という女性議員が集団的自衛権に絡んで、沖縄の教師がこの問題で偏った授業をやっているかのような質問をし、文科相の下村大臣が学習指導要領を持ち出し、厳正に調査するなどと答弁。示し合わせたやらせ茶番劇だ。
自然にこぼれる笑み
今後、国会のみならず、地方議会でも教員の授業や教員の思想信条をチェックする動きが強まるのではないか。本来、教育の政治的中立とは、教師の思想信条を問題にするのではなく、国家や政治が教育内容に介入してはならない原則を言う言葉だった筈である。
教師個人の思想を問題にするなら、ドイツのように、教師の支持政党を父母に明らかにすることによって、授業の政治的中立を担保する方法が最も理にかなうと思うがどうであろうか。偏った授業かどうかは生徒や保護者が判断すべきで、政治家は最も不適格である。
次号で明らかにするが、私が国境問題をどう教えたか。基本的には歴史学会の通説で教える。論争がある場合には、資料に賛成・反対・第三者の意見を紹介し、子供たちに考えさせ、議論させる。私は決して政府見解を教えたりはしない。政治的中立に反するから。
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