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18日(金)安倍政権は中国、台湾、韓国もそれぞれ固有の領土だと主張しているのに、尖閣、竹島について「日本固有の領土」だと一方的に主張して危機感を人為的に作り出している。それでいながら、北方領土について、千島列島全体が「固有の領土」だと主張しないのは?
前号で書いたように、北方領土問題の基本はロシアとの「樺太千島交換条約」によって、日本の固有の領土であることは明白である。なぜなら、国際法上、話し合いによって獲得した領土は正当であり、戦争によって獲得した領土は返還されるというルールがあるのだから。
戦後の自民党政府や民主党政権も千島列島全体が「日本固有の領土」であることを主張しないのは51年に吉田茂が署名したサンフランシスコ講和条約で「日本国は千島列島に対するすべての権利、請求権を放棄する」とした誤りによる。このことに口をつぐんでいる。
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この条項は日本の敗戦を確定させるための45年のヤルタ会談でソ連の要求を米大統領トルーマンが認めていたことによる。米国は自国の犠牲者を出来るだけ少なくするためにソ連の対日参戦を強く主張し、その見返りに千島列島をソ連に引き渡すことを約束していたのだ。
従って、完全独立を形の上で成し遂げた日本は、請求権放棄の誤りを世界各国に訴えることは可能なはずで、なぜそれを主張しないのか私には理解できない。それを2島返還とか4島返還などにすり替えて決着を図ろうとするのは言語道断。北千島も固有の領土だ。
とはいえ、戦後70年近くもロシア人が生活している事実はどうにもならず、ロシア人の永住権を保障し、日本領土に戻った方が生活はより豊かになると説明し、保障すれば説得可能だと私は思う。元々雑居地域だったのだから。吉田茂の誤りを追求しないのはどう考えてもおかしい。
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従って、孫崎氏が56の年の鳩山政権の日ソ交渉で重光外相が「択捉、国後の放棄もやむを得ない」と判断したことを「平和条約で放棄しているのですから、妥当な判断と言えます」という見解には同意できない。ところが当時米国は猛烈に反発し、それなら沖縄は米国領土にすると圧力をかけてきたと。
アメリカはそこまでして日ソ交渉に異議を唱えたのは、「うまくいけば、北方領土についての争いが何年間も日ソ関係を険悪なものにするかもしれない」として、日本がソ連に接近することを妨害しようという意図があったというのである。そのことはその後も米国は日ソ交渉での北方領土返還には冷淡だったことでも頷ける。
鳩山一郎にすれば、日ソ国交回復に執念を燃やしたのは、抑留日本人の問題やソ連が国連で拒否権を持っている以上、ソ連との国交回復なしに日本の国連加盟は実現しないと思ったからだと孫崎氏は指摘する。ソ連は講和条約にさえ署名をしなかったわけだから。
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