歌あり手品ありの集会
19日(土)雨のち晴れ。今日はレーナが江戸時代に興味が出てきたと言うので、先ず北方文化博物館(新潟県の大地主で1300haを所有した伊藤文吉邸)へ。私は何回も訪ねているが、こんなにじっくり見たことはなかった。レーナが説明を丁寧に読むからである。
昨年訪日した時に案内した良寛さんの掛け軸が多いのにも驚いていたが、なにより日本庭園の素晴らしに感動したようで、縁側に座り込んで動かなかった。新発田に向かったのだが、新潟に長く暮らした経験から、東京より山々が迫る風景が自分には合っていると。
新発田城、清水園、足軽長屋の見学も江戸時代への関心を深めたようだ。車中、話題は多岐にわたった。昨夜の話から教育、政治、裁判、新潟の歴史、ドイツと日本の学校について。今日の話で一番驚いたのは、ドイツ訪問時の安倍首相の振る舞いについてであった。
ドラムを叩きながら廃炉を叫ぶ
レーナの母は日独00委員会の委員で、メルケル、安倍会談に同席した時の話。安倍はメルケルに尖閣・竹島問題で理解を得ようと話を切り出した時、メルケルは不機嫌な表情になり、それはあなたの国の問題だから、貴方で解決してくださいと話を打ち切ったと。
日本政府の従軍慰安婦に関する態度は欧州全体で不評で、「どこの国にもある問題」では片づけられない。日本があの戦争を反省しなことが今後問題になるのではないかという。集団的自衛権の閣議決定による憲法解釈変更はドイツではあり得ないし、信じられない。
一番変だと思うのはこの決定に国民がどこにも訴える手段を持たないことだと。ドイツならすべての裁判所の上にある「憲法裁判所」(裁判官は人気12年で再選なし)に判断を求めることになる。納得できずに東大の教授に質問したが納得できる答えではなかったと。
原発ゼロ2周年
先日下された大飯原発差し止め訴訟と最高裁の沖縄密約情報開示否定の判断にも及んだ。私が日本における行政裁判の実態、つまり日本には江戸時代以来の「お上を訴えても無駄」という意識があり、現に行政裁判で国や自治体相手の裁判件数はドイツの数十分の一だと。
彼女は最高裁の立証責任を請求者に負わせるのは絶対おかしいと。できるはずがないと。ドイツでは行政は市民とのやり取りのメモに至るまで保存の義務があるし、立証責任は裁判所が行政に命じる形で開示され立証されると。弁護士に頼まなくても裁判ができる。
私が日本の最高裁事務総局が人事権を支配している実態を話すと、ドイツにも上を気にして判決を書く裁判官はいるけど、先生のように校長にならないと思う人は自由ですよね。裁判官も同じです。日本のように上に行くほど政府寄りの判決が出ることはないと。
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