中国人庭園の一般開放
2日(土)雲一つない快晴。午前中から30度を越している。我が家は扇風機だけ。世間では電力不足は話題にすらならない。日経ビジネスオンラインで山根小雪記者の「再生可能エネルギー、日本の常識は世界の真逆―ドイツや米国の太陽光や風力が安い理由」が目を引いた。
再生可能エネルギーの調査を手掛ける某氏は「なぜ日本は再生可能エネルギーを活用せず、燃料費が高い火力発電ばかりを使うの」欧州へ行くと必ず聞かれると。欧米の常識は「太陽光発電コストは、電力の小売り料金より安く、風力発電コストは火力並み」だから。
火力発電は原価の6割を天然ガスや石炭、石油といった燃料費が占める。日本はほぼ輸入に頼る。日本向けの燃料価格は「ジャパンプレミアム」と言われるほどべらぼうな価格になっている。これも3.11後に分かったことだが、安定供給を理由に言い値で買ってきた。消費者に価格転嫁できる仕組みだから、電力会社は痛みを感じない。
1月に咲く花
事実、日本の再エネコストは高い。11年政府発表によれば、天然ガス火力は1kwあたり10.7円、一方固定価格買取制度の導入による14年度の買取価格は太陽光は32円、風力は22円。ところがアメリカでは13年時点で太陽光は11円、風力は12年平均で3.83円だと。
理由は国内の太陽光電池メーカーが価格の下落を防ぐために、談合によって値付けをしている、安い海外メーカー「国内販売するために必要な認証」(要するに日本式妨害規制だ)、電力会社が保有する接続工事などの料金の高止まりなど競争が働いていないというのだ。
ドイツでは今月1日の制度改正によって補助金の廃止や再エネへの競争導入を図り、電気料金の値下げを目指すという。そして25年までに再エネを40~45%、35年には55~60%に引き上げるという。エネルギー安保と経済政策を両立させるという国家の強い意志だと。
庭園内
それに引き替え日本政府や電力会社の姿勢はどうかと言えば、原発にしがみつき、再エネ推進までつなぎの火力発電はやむを得ないとしても、燃料輸入を安くする努力もせずに安易に電気料金に転嫁し、燃料費が高騰するから値上げだ、原発が必要だというばかり。
それどころか安倍は危険な原発の海外へのトップセールスに狂奔し、財界人の集まる集会では「鹿児島の川内原発は何とかします」と約束したり、何の倫理や哲学もない、金力亡者に成り下がっている。居心地のいいらしい海外で国民の税金を使いたい放題である。
非原発の電気を買えるならその会社を選びたいが、今の日本ではその選択権もない。10電力会社による電力の地域独占、送電網の独占、総括原価方式による勝手気ままな価格転嫁、電力の自由化だけが僅かに進んだが、東京電力から中部電力への乗り換えは未だに出来ない。
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