新潟県技術委員会
20日(水)今日は卓球の日だったが休んで、新潟県知事がこだわり、独自に福島原発事故の検証を進めるための県技術委員会が開かれると言うので傍聴に行ってきた。昨年度から始まったもので、今日は4回目。私は昨年、初回の傍聴で余りの御用学者揃いに仰天した。
新聞投書で委員の交替を求めた。何人かが交替し、信頼できる田中三彦氏が加わったことで、今日の分科会は雰囲気がガラリと変わった。元々我々の意見を代弁される立石雅昭氏の留任も心強い。田中氏は元日立社員で、爆発で吹っ飛んだ福島原発4号機の原子炉設計者。今は柏崎刈羽の廃炉を求める科学者の会のメンバー。
東電側から原子力設置管理部長、柏崎刈羽原発安全センター長が出席、田中氏に攻めたれられ、しばしば答弁に窮し、言い逃れるのに精いっぱい。聞いていてすっきり痛快だった。話の内容から、この3年の間に相当な情報隠しや隠滅が行われたのではないかと疑ってしまう。
野菜工場で
今読んでいるのは、全国的に名を知られた私塾・長善館関連の本である。レーナが我が家に滞在中、彼女が日本の教育の歴史に興味を示したことで、私の心を刺激した。今の日本の教育に誇るものは何もないけれど、江戸時代までの日本の教育には誇れるものがある。
ドイツをはじめ、欧州諸国にはギムナジウムという日本の中高等学校に相当する大学を目指すことを目的とするエリート養成機関がある。レーナもギムナジウム出身である。私が小学校で将来が決まるシステムはおかしいと言うと、レーナもそう思うという。
モンキーピッチャー
今まで何度か改革が試みられたけれども基本的には変わっていないと。でも父はギムナジウム出身で大学教授になったけれど、祖父は大工で出身によって道が完全に閉ざされたわけではないと。しかし、階級社会であることに変わりなく、イギリスはもっとひどいと。
前にも書いた気がするが、日本の江戸時代は階級社会であったことに違いはないが、庶民も生きるためとはいえ、読み書きそろばんを中心に親が望めば、私塾や寺子屋という自主的な教育機関が全国に発達したこと。その数は今の小中学校の数とほぼ同じ位あった。
レーナは信じられないといった顔で私塾や寺子屋に興味を示した。次回、来日の時には長善館に案内する約束をした。さらに素晴らしいのは、幕府や藩がその自主的教育機関に制約を加えることもなく、むしろ土地や補助金を支給するなどの支援をやった藩さえある。
次号以下に紹介するが、その私塾や寺子屋の教師の自由さ、信念、暗記や討論を重視する理にかなった教育法、集団教育等々日本の現状を打破するのに必要と思われることが多々ある。それを紹介していきたい。自民党の教育再生会議は国家による政治介入を基本にした全く逆の方向である。
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