7日(日)快晴。昨日は「脱原発をめざす新潟市民フォーラム」主催の学習会「原発再稼働審査の現状」と題し、坂上武氏(原子力規制を監視する市民の会)の講演。鹿児島県の川内原発の審査の現状について詳しい話が聞けた。聴く聴衆もいつも通り、活動家や専門家が多い。
話の内容は三つで火山、汚染水、避難計画について。火山については川内原発特有の問題で、知らなかったが、南九州には三つのカルデラ噴火の危険があり、特に姶良(あいら)カルデラは活動が活発化しており、噴火の場合、火砕流が川内原発に達する恐れがあるというのだ。
火山予知連絡会の複数の火山学者が「現在の火山学では巨大噴火の兆候をつかむことは困難」と証言し、九州電力は9万年周期説を主張。さらに巨大噴火の予知はできるとして引用したギリシャの火山に関する論文を予知連会長・藤井敏嗣・東大名誉教授が否定したことで問題が表面化した。
規制委員会はそれを承知の上で審査を合格させ、再稼働に導こうとしていると。そもそもカルデラから30キロの地点に原発を立地させたこと自体、安全を無視した世界に例のない原発だということである。現在の規制委や規制庁に火山や避難の専門家が一人もいない。
熱心に聴く参加者
新潟県の泉田知事が指摘し続けている審査基準は原子炉の施設・設備しかなく、審査体制に欠陥があるとの主張が川内原発で試されているともいえるのだ。今福島で進行しつつある汚染水対策に至っては、防止策が何も取られていないという話は信じ難い話だった。
これまた泉田知事が繰り返し要求している「福島事故の検証が先だ」というのは、まさにこのことである。今となっては全ての原発に予測できるシビアアクシデントに対する対策は素人でも理解できるものである。欧州の原発にあるベントやコアキャッチャーは最低限のものだが日本の原発にはない。
もっとひどいのは避難計画で鹿児島県知事や川内市長は「10キロ以遠は避難計画と立てても実現性がないので立てない。事故が起きてから考える。その計画は各自治体に任せる。弱者(病院、養護老人施設、幼稚園等々)は各施設が独自の避難計画を立て県に届け出よ」だと。
それで平然として再稼働審査を急ぐように要望しているというのだから、開いた口が塞がらない。アメリカのNRC(規制委員会)は当然のことながら、避難計画も審査対象で、合格しなければ稼働が許可されない仕組みだと。これで安倍は世界一厳しい規制基準だと。
池田信夫などは泉田県知事に再稼働の是非を判断する権限はないのだと、盛んに触れ回っているが、新潟県や柏崎刈羽と東北電力の間には「安全協定」がある。これを破ってでも再稼働に動く可能性はないではないが、川内原発についてはこの協定すらないのだと。川内原発の再稼働は絶対阻止だ。
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