CH中学校職員駐車場 6日(月)先日ドイツのG教授が我が家に来た際、話題にしたことの中に、介護問題、労働問題、歴史問題もあった。Gさんは「外国人が日本に来たら、こんな便利で、優しくて、居心地のいい国はないでしょうね」いらっしゃいませ、お気をつけて、が心地よいと。
確かに日本独特のサービス文化、奥ゆかしさ、礼儀正しさなど誇ってもいい文化だと私も思う。ではドイツに学ぶことはないのか。明治以来日本は医学、法律、音楽、軍紀まで。そして戦後は精密機械、自動車、化学、そして介護保険まで手本にしてきたことは多い。
ところが、今様々な分野を比較してみると、似ても似つかないばかりか、全く正反対の方向に歩いているかに見える。戦争への反省に根差す歴史認識の問題、学校の自由と統制の問題、原発への決別と推進の問題、労働の人間化と非人間的な労働の問題などである。
中学校内食堂 ミュンヘン在住のジャーナリスト熊谷徹氏が日経ビジネスオンライン上でドイツの最新の労働情勢をレポートしている。夕方5時に定時で帰宅できる日本人を何人知っていますかと問いかける。東京で7時に帰宅できるサラリーマンにさえであったことがないという。
ドイツではコンサルタントや弁護士などの専門職や経営陣でない限り、従業員は大抵夕方5時か6時に帰宅して、家族と夕食を食べたり、友達に会ったりします。若手社員ほどこれに当てはまるという。この話はGさんの話と一致し、学校が8時過ぎまで何やるの?
日本はアメリカ並み。ドイツ人の年間労働時間で350時間もの差がある。しかも、日本の労働時間の中にはサービス残業が含まれていない。これは「仕事」のとらえ方が違うからだと。ドイツ人は給料の見返りに40時間分の労働力を雇用主に提供していると考える。
売店
ドイツ人は残業を嫌う。仕事が定時に終わらなければどうするのか。もっと効率的に働こうと考え、朝一番から仕事に専念し、たまに昼食を抜いたり、ミーテングを欠席したりする。仕事中に寝ることもなく、何が何でも夕方5時までに終わらせようとするのだと。
それでも終わらなければ、会社のせいだと主張する。休暇についても3週間の十分な夏休みに加え、多くの国民の休日があるため、1週間の短い休みを何度かとる。経営者で無い限り、休暇中の労働者に仕事の連絡をすることはできないルールがあるのだという。
ドイツ人は生きるために仕事をしている。日本人はというと時折逆で仕事をするために生きているように見える。ドイツ人ははっきりと、40時間を企業に捧げることこそが「仕事」だと考え、それ以外は遊びであると。この話はニュージーランドでも聞いた。
続きを読む