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NO2892 改めて安倍政権の歴史認識を問う(1)

国上寺本堂前の紅葉

国上寺本堂前の紅葉 11日(火)晴。シンガポール日本人学校時代の東京出身の同僚で、退職後も反原発運動にも関わり、恵泉女子大でも教壇に立ったNさんからメールが入り、私が在任中企画したシンガポールのチャンギー刑務所見学の資料が出てきたと、わざわざ電子化して送って下さった。

 

 安倍政権の暴走に危機感を感じている国民は少なくないはずだが、庶民にはなす術がない。と思ったら、突然国会解散の話が降って湧いた。本当の話なら大歓迎だが、安倍がそれを考えるとしたら、集団安全保障に関わる法改正、特定秘密保護法、消費税等をまとめて信任されたと言おうという魂胆だろう。

 

 それを許してはならないし、少なくとも自民党の議席を大幅に減らさなければならない。そのために何をすべきか。Nさんからのメールを読みながら、やはり安倍政権の本質=歪んだ歴史認識を正す必要がある。安倍だけではない、それを支え続ける日本人のそれも、それで誤りないのかと問い正したい。

 

なかなかの風景

なかなかの風景 私はシンガポール赴任が決まった時、いくつか期するところがあった。その一つにチャンギー刑務所の見学があった。理由は私が長年、日本の戦争責任を考えさせる一級の資料だと確信していた木村久夫上等兵(B級戦犯として処刑)の遺書がこの刑務所で書かれていたことを初めて知ったからである。

 

 木村久夫氏は大阪出身で京都大学学生時に学徒兵として召集され、インド洋・カーニコバル島に駐屯、日本軍による70~83名の住民虐殺の際、英語ができたため通訳として住民取調べに関わり、B級戦犯として死刑判決を受けた(28歳)。遺書は刑務所内で呼んだ書籍に記したと。

 

 私は木村氏がどこで何をして処刑されたのかも知らずに、この遺書を10年以上にわたって教材として使っていた。赴任が決まり、何としても彼が死刑判決を受けた裁判所(今も日本人が多く泊まるラッフルズホテル)と刑務所のチャペル及び処刑場は見学しなければ・・。

 

真っ赤に染まり

真っ赤に染まり 赴任して2年目、私は学校の現地スタッフや英語科の協力を得ながら、シンガポール政府に見学の申請を出し、何とか受理された。恐らく後にも先にも一回きりであったと思う。その際、日本が引き起こした「華僑虐殺事件」の史実をシンガポール大学の図書館で調べ、授業で使ったものを資料として印刷し、参加者に配布。

 

 その時の資料をNさんが送って下さったのである。読み返しながら、改めて安倍政権の歴史認識の誤りを正さずにはおられない。安倍政権の危険性の原点はここにあると断定する。Nさんからのメールにもう一つショックを受けた。

 

 Nさんが添付してくれた東京新聞4月29日付の記事に、実は私が長年使ってきた遺書は刑務所内で書かれたもののほかに、父親あての遺書を併せて編集したものだったというのだ。しかも、父親あての遺書の中にあった陸軍への痛烈な批判が削除されていたと。特攻隊員や木村さんのような若者の死を美化することは断じて許せない。

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