近日オープンのスーパー
19日(水)曇。安倍首相は予定通り昨夜、21日解散、来月14日投開票の衆院選実施を表明した。日報はアベノミックス信問う等と書いているが、毎日新聞社説が書いたように、「安倍政治を問う」選挙にしなければならない。消費税を延期する解散の大義などない。
本当にマスコミが腐ってきたと思うのは、独自の取材もせずに当局の発表通りに唯々諾々と従っていることだ。GDPにしてもその数字は大企業から小規模経営の家内工業まで含めた経済の総体に過ぎない。家計消費が前月比―4.7%、実質賃金はー3.1%は伝えない。
消費税増税を延期するとまるで社会保障がストップし財政再建が出来なくなるかのように書く新聞社もある。「消費税増税分は全て社会保障に使われます」という政府の発表をそのまま報道するからそうなる。消費税増税分のお札に色でも付けて行方を確かめたのか。
所得税、法人税、消費税は全て一般財源に繰り入れられる。歳出はあらゆる分野に支出される。増税分が法人税減税や軍事費に回るかもしれないし、リニア新幹線に回っているかもしれない。8%への増税分は10%しか社会保障に回っていないというデータもある。震災復興を名目にした予算の組み方もまやかしだ。
さて、解散に向けて消費税論議で誤魔化されないように、安倍政権の危険性を暴かねばならない。ベルリンのDさんが説明してくれた「鏡の壁」が建設された94年という同じ時期、日本では何が起きていたか。従軍慰安婦への軍の関与と強制性を認めた河野談話が出されたのが93年8月である。
増えるは特養施設ばかり
自民党は同月「歴史検討委員会」を設置。当選したばかりの安倍晋三もこれに参加。同委員会が95年8月に出した「大東亜戦争の総括」は「大東亜戦争は自存・自衛のアジア解放戦争だったとし、南京大虐殺事件、慰安婦問題はでっち上げだと攻撃していた。
翌96年「新しい歴史教科書をつくる会」が発足、97年にはこの運動を応援する「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」が作られ、安倍晋三は事務局長(会長は中山成彬、メンバーに衛藤晟一、中川昭一、高市早苗、森田健作等日本版ネオナチがいる)に就任。
ドイツではベルリンの94年の「鏡の壁」に至るには68年世代と言われる、戦後の戦争責任を国民の責任という視点から問い直そうとする社会運動があった。若者が親の世代の責任を問う(目の前で連行されていくユダヤ人を知らなかったでは済まされないと)運動がそれである。
その運動に熱心だった社会民主党のブラント政権を生み出したのが69年である。70年にブラント氏はワルシャワのユダヤ人ゲットー跡に建つ慰霊碑の前に跪き、謝罪した。84年に大統領に就任したワイツゼッカー氏の世界的な演説に繋がる。ドイツ国民の戦争に対するコンセンサスが確たるものとなった。日本は全く逆の道を歩み始めた。
続きを読む