CHの農園
5日(金)曇り。日本の選挙制度や選挙運動がいかにおかしいか、先進諸国と比較すればすぐにわかり、日本が異常だとわかるのに、マスコミはそれも批判しようとしない。その前に自民党が2~4割の得票で6~8割の議席を独占できる小選挙区比例並立制とはどこがおかしいかを考えてみる。
有権者全体から見た得票率は、05年の自民党が28.3%、09年の民主党が30.4%、12年の自民党は20.3%、05年は小泉首相による「郵政解散」の選挙で296議席で圧勝。09年は民主党が308議席の大勝。12年は安倍が384万票も減らしたのに、294票を独占。
今回の選挙は更に投票率が下がりそうだとかで、専門家の試算では得票率1割台で自民党圧勝もあり得るという。これが今の日本の選挙制度なのだ。有難いことに、国立国会図書館の三輪和宏という人が、世界の選挙制度を比較研究した論文がネット上で読める。
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それによると、世界には小選挙区制をとる国はイギリス、カナダ、アメリカなどアングロサクソン国家に多いという。ただ、ニュージーランドは例外でドイツと同じ小選挙区比例代表併用制である。比例代表制をとる国は北欧等、圧倒的にヨーロッパ大陸諸国だと。
小選挙区制の最大の問題は「死票」が多くなる、つまり、一つの選挙区に10人の立候補者があったとして、当選者は一人、残り9人に投票した票は全て死票になるということ。これに対し、比例代表政は政党の得票率に応じて票が割り振られ、死票は少なくなる。
どちらが民意を反映することになるかと言えば、常識的に考えて、比例代表制だろう。比例代表制をとる北欧諸国などの政治的安定はその証左ではないか。小選挙区制の弊害は民意をコントロールしやすい、別な言い方をすれば権力や金力によって民意を支配する事が出来る。
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シンガポールがいい例だ。シンガポールは事実上、人民行動党による一党独裁である。選挙運動への異常な制限からすれば日本は独裁国家シンガポールに近い。先ずはべらぼうな供託金。蘭・韓国180万円、英加は11万円、米仏独伊は必要なし。日本はどうか。
今回の衆院小選挙区、参院選地方区は300万円、衆院及び参院の比例代表区の立候補者は一人600万円。国会に議席を持たない政党は10人以上の候補者が求められるため合計6000万円の供託金が求められる。さらに、地方も首長や議員は300万円~30万円が必要。
まるで、貧乏人は国民の代表にはなれませんよと言われているようなものだ。泡沫候補の立候補を防ぐという建前だが、何も機能していない。昔も今も赤尾敏等という右翼が日本中で立候補しまくったことは記憶に新しい。お金の話だけではないおかしいことだらけ。
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