スリランカの民宿
13日(火)曇り時々晴。現役高級官僚・若杉冽のペンネームで告発本ともいえる「原発ホワイトアウト」は大きな話題になり、私もこのブログで取り上げたが、今度は原発再稼働に突き進む政官財の姿や原発事故がもたらす悲劇を描く「東京ブラックアウト」が出た。
早速Amazonで取り寄せ、読み始めるところだが、12日付新潟日報に若杉氏にインタビューした記事が大きく載った。ホワイトアウトで若杉氏は執筆の動機の一つに泉田知事を守りたかったと語っていたが、今回も「スキャンダルなどを仕組まれて知事が失脚してしまうことを私は本気で心配している」と。
若杉氏は「新潟県民には厳しい言い方になり申し訳ないが」と断りながら、「(中央の官僚は)結局はカネさえ与えれば地方は言うことを聞くだろうと考えている。そのことを多くの新潟県民に知ってもらいたいし、気付いてほしい」と。厳しくなどない。有難い忠告だ。
三部屋の一つ
氏は又「福島県民は安全神話に騙されていたと言える。しかし、神話が崩壊したにもかかわらず再稼働を容認するならば、新潟県民は原発事故の責任の一端を問われることになるだろう。国の役人は地方を非常に軽視している」とも。詳細は読後報告してみたい。
「東京ブラックアウト」は新崎県(新潟県)の新崎原発(柏崎原発)がテロリストの破壊工作によって原子炉冷却用の電源を失い、悪天候も重なって原子炉がメルトダウンを起こす。新崎県や首都圏は甚大な被害を受けるという想定らしい。十分に現実味のある話だ。
そんな過酷事故を想定しなくても、原発の事故・故障の多さを私たちは今まで知らされてこなかった。ドイツでも報告が義務付けられている事故が3日に一度は起きていると。その件数は毎年100~200件、65年からの累計では約6000件に達するというのだ。
民宿の犬と日本ではどうか。福島事故までは年間15件~25件と発表され、少ないように思わされてきたが、02年の東電によるデータ改ざん、事故隠蔽で分かるように、報告義務を守らずに隠され続けた件数が多かったということだ。実際の件数は数えようもない。原子力村の中での癒着関係がチェック体制を崩した。
30年前のテクノロジーとは石器時代の産物という喩すらあるそうだ。70年代のトヨタの車が仮に部品を可能な限り交換しても「世界最高水準の安全」とは誰も言わない。それでも車や火力発電所なら部品交換で稼働は可能かもしれないが、原発はそれができない。
過去にも設計者が「欠陥だった」と告発した原発でも、それを理由に原子炉を交換したことはないと。放射性物質で汚染された原子炉や周辺機器を簡単に解体したり、交換することができないのが原発。改善を行うとしたら、現在考えられる唯一の方法は原発をとめることだという。
続きを読む