スリランカの思い出
21日(水)曇。人質となった一人、フリージャーナリストの後藤さんについて、もうしばらく、評価を待ちたい。イスラム国による人質身代金要求事件を巡って、マスコミは安倍首相や政府の「テロには断固屈しない」とか「人道目的の援助」などと、そのまま報道しているが、疑わしい。私が書いたように、日本のこの地域への関わり方の是非を論じるべきでは。
原発問題は先日のタンクからの作業員の転落事故死でもない限り、記事にすらならなくなっている。その裏で原子力村による原発再稼働、それに関わるパブコメの形骸化、再生可能エネルギーの接続拒否、発送電分離の阻止などの動きが加速していることを伝えない。
接続拒否問題については自民党の行革推進本部長の河野太郎氏が例によって内情をばらしている。パブコメは2000件集まったが、それを検討する気配もなく、1月の連休明けに省令改正で済ませようとしたらしい。河野氏等が待ったをかけ、今保留されているという。
スリランカの思い出
恐らく、いいように押し切られるだろう。この問題の発端は昨年9月、九州電力による「接続保留」表明で、その後、北電、東北、四国、沖縄が続いた。理由が「太陽光発電などの急速な普及が電力需給バランスを崩す」というものだが、日本はまだ2%に過ぎない。
再エネの割合が2%で需給バランスが崩れるというなら、20~50%に達している欧州ではとっくに破綻しているはずで、欧州にできて日本でできない理屈はない。ヤル気がないだけだ。全国でやっと機運が盛り上がり、これからというのに、朝令暮改も甚だしい。
経産省が検討している案は電力会社の示す「接続可能量」だけを基準にし、①福島事故前の原発設備容量の稼働を見込んでいる②電力を相互に融通する地域間の送電線をほとんど使わないーことを前提にしているからだと。東西の周波数変換を本気でやる気がない。WWFの小西雅子氏の分析である。
スリランカの思い出
WWF(世界自然保護基金)の試算によれば、九州と本州の既存の送電線を自由に使えるようにするだけで(工事不要)申し込み済みの自然エネルギー発電設備をほとんど出力を抑制せずに導入できることが証明できたという。つまり九電は嘘をついているということである。
発送電分離阻止の動きは「東京ブラックアウト」に生々しく語られている。小説の登場人物は日本電力連盟常務理事(=電事連)小島巌(関東電力=東京電力)、資源エネルギー庁次長・日村直史。政治家は聖和会(=清話会)会長松村修孝、電力供給安定化連盟会長・臼田浩之。
自民党の電力族は筆頭が経済相の甘利明、ナンバー2が上記電力供給化安定化連盟会長の細田博之、今度衆院議長になった町村信孝(清話会)等、仮名にしてもすぐにばれるほど有名なメンバーである。彼らはばらされても、何も痛痒を感じない鉄面皮な人々である。 つづく