*写真がなくなったので、過去の思い出スペイン編
マドリード 8日(日)曇。この問題もまだまだ閉じられない。安倍晋三はますます正体を露わにしつつあり、人質事件を利用して、己の歴史認識を具体化しようとしている。彼の正体とは初当選の2年後の95年8月自らも関わった自民党「歴史・検討委員会」の「大東亜戦争の総括」である。
そこには「『大東亜戦争』は自存自衛のアジア解放戦争であり南京大虐殺事件も慰安婦もでっち上げ」とする歴史観であり、そこには一片の反省もない。8月に出すといわれている「戦後70年談話」が村山談話を引き継ぐどころか、新たな憎悪の火種を撒きかねない。
安倍が賛美する戦前の日本は40年、日独伊三国同盟を結び。日本が独伊の「欧州新秩序」建設(欧州征服)に協力、独伊は日本の「大東亜新秩序」建設(アジア太平洋地域征服)に協力すると明記した。当時のお互いの政府は「侵略」を公式文書で認め合っていたのだ。
マドリード
日本が戦後70年で戦前の日本を取り戻す方向に向かおうとしているが、先月31日亡くなったドイツの元大統領・ヴァイツゼッカー氏は戦後40年の85年5月8日(ドイツ降伏の日)の議会演説であの有名な「過去に目を閉ざす者は・・現在にも盲目となる」と。
この演説に対して、桜井よし子等日本の右翼は「あの演説に謝罪の言葉などない」と悪罵を投げつけ、同じ加害者として反省の意を示す気など更々ない。ヴァイツゼッカー演説はブックレットにして30ページ近くに及ぶが、改めていくつか拾ってみようと思う。
「大抵のドイツ人は自らの国の大義のために戦い、耐え忍んでいるものと信じておりました。ところが、一切が無駄であり、無意味であったのみならず、犯罪的な指導者たちの非人道的な目的の為であったということが明らかになったのであります」日本人も同じだった。
マドリード
「ドイツに占領されたすべての国のレジスタンスの犠牲者に思いをはせます。ドイツ人としては、市民としての[略]信仰にもとづいてのドイツ人のレジスタンス労働者や労働組合のレジスタンスーこれらのレジスタンスの犠牲者を思い浮かべ、敬意を表します」日本の右翼には思い至るまい。
「問題は過去を克服することではありません。さようなことができるわけはありません。後になって過去を変えたり、起こらなかったことにするわけにはまいりません。しかし、過去に目を閉ざす者は・・[略]非人間的な行為を心に刻もうとしない者はまたそうした危険に陥りやすいのです」
昨日、今日と独仏露の3国がウクライナの紛争をめぐって話し合いを続けている。第二次大戦中に敵対し、熾烈な戦いをした3国である。過去に向き合い、過去を清算できたからこそできる今日の関係である。特に独仏は米国の言いなりにならないから、実現できている話だ。安倍政権は韓国、中国と話し合いすらできない現状を相手国のせいにできるのか。
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