バルセロナの街
28日(土)気が付けば2月も終わり。このブログも3000号を超えた。割ってみたら、9年近くも続いていることになる。海外にあって接続環境のせいでアップできなかった時を除けば、一日も休んでいない。よくもまあ書き続けたと感心する。継続は力を信じて。
買い物以外は終日家にあってネット上の記事を探していた。日経ビジネスというサイトが戦後70年の8月に向けて「未来の日本へ、遺言」と題する長期連載をやっている。今まで16人くらい登場しているが、脚本家・倉本聰、俳優・仲代達矢氏など80歳前後の世代。
敗戦時小学校高学年から中学生だから、記憶も鮮明だ。みなさん、過去としっかり向き合って最近の世の中に警鐘を鳴らしておられる。この中で強く心に残るのは倉本聰氏の「日本はリッチだけど幸せじゃない」だ。氏が77年富良野に移住したのは「豊かさに対する不安」からだったという。
バルセロナの街 「経済界は右肩上がりを求めますよね。(略)自然界には右肩上がりはないんですよ。もっと良くしろ、もっと良くしろと年がら年中言っている。政治から経済から、お国を挙げてみんなが今に満足しない。これは誠におかしいでしょう。経済界の『前年比』も分からない」
「今の日本の前年比感覚は自然と矛盾している気がするんです。テレビ界も同じです。(略)つまり、論理が狂ってきているんです。そもそもは需要があるから供給がなされるというのが筋でした。(略)原発も供給の話ばっかりで需要の話をしない。おかしいですよ」
バルセロナの街 その他言葉だけ拾ってみると、「本当に24時間下らないテレビをやっている必要があるのか、コンビニにあれだけ長時間営業する必要があるのか、『地方再生』は余計なお節介、政治家もみんなが都会の感覚で『貧しいからもっと豊かにしてあげましょう』というんですね」
「戦時中、学校に配属将校が来て、特高に志願する者は前に出ろ!2,3名を除いて自分を含めて前に出た。将校が帰った後、出なかった2,3名にみんなで『卑怯者』となじった。その話を家で父にしたら、クリスチャンだった父が『どっちが卑怯者』かな。ショックだった」
「戦争を通して感じたのは、悲劇はそれを主導した人間に起こるのではないということです。そこに巻き込まれて色々な悲劇が起こるんですね」次に仲代達矢氏の遺言は「集団的自衛権とか何とか言っていますが、僕は絶対に信用しない。国を守ると言い出したら警戒した方がいい」
「結果は大体戦争につながるからです。強すぎるカリスマリーダーが出ると、大衆はすぐに流されるんだから」お二人とも個人名を挙げてはいないけれど、明らかに安倍政権を意識した発言だと私は受け止めた。戦後生まれの人間がお二人のような戦争体験がなければ彼らの言葉を理解できないとすれば情けない。