ポルトガルの思い出
14日(土)曇りのち晴れ。今日は午後西区原発ゼロ行動の日で集会と100名ほどでデモ行進。強大な権力に庶民は抗議の声を上げ続けるしか術がない。大阪府知事が「慰安婦に強制はなかった」との補助教材作成を言明。知事が教育に介入することに異常さが見える。
クマラスワミ氏はスリランカの弁護士で人権委員会委員長。日本に関する報告書は数十本のうちの一本に過ぎない。世界の女性に対する暴力、家庭内の暴力、社会における暴力など。日本軍性奴隷に関する報告は国家による女性に対する暴力の重要例の一つとされた。
確かにクマラスワミ報告書の一部に例え数行とはいえ「吉田清治証言」などの事実誤認があることが指摘されている。より重要なことはこのクマラスワミ氏は日本政府を含む国連人権委員会(53か国)の決議によって任命され、日本政府は氏を日本に招待して調査に協力した事実だ。
ポルトガルの思い出
もし、報告書に不備があるとすれば、日本政府が提供した資料、公開しなかった不備が指摘されることになる。藪蛇とはこのことだ。私はこの報告書全文を読んではいないが、丁寧に読んで大きな勘違いに気付いたという元NHKプロジューサー杉江義浩氏の言。
この報告者があたかも「吉田証言」を基に書かれたと思い込んでいたし、「読売、産経、おまけに菅官房長官や安倍総理までがそれっぽいことを言っているのでそう感じてしまうのも無理はない」全文48ページの長文を読んでいくのは骨が折れるが、日本訳もあると。
吉田証言は全体で数行、2か所だけだと。もう一か所は歴史学者・秦郁彦氏の吉田氏の著書に異議を唱えている部分だと。安倍が盛んに吉田証言や朝日の誤報がいかにも国際社会に大きな影響を与え日本の名誉を著しく貶めたと強調しているが、これも事実と異なると。
ポルトガルの思い出
90年~14年まで「吉田清治」を強制連行の証言者として取り上げたのは92年8月8日付NYタイムズの記事一件のみだと。東京在住のガーデアン英国人特派員マカリ―氏も「今年に入るまで吉田の名前は知らなかった」と。吉田証言の引用がダントツであるのは安倍晋三だと。
櫻井よしこ等はたった一か所の事実誤認をもってクマラスワミ報告の全体を否定しようとする「恥の上塗り」は18年前に日本政府が認めた事実を否定するという行動に出ている安倍政権そのものである。日本国内で通用している彼らの動きは国際的に通用しない。
ここで閉じようと思ったこの問題もやはり、クマラスワミ報告を読んでみなくてはならないと思った。櫻井らが声高に主張しているようないい加減な報告書ならば、国連の舞台で議論になるはずだが、そうなってはいない。昨年提出して一蹴された抗議文がそのよい例だ。
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