17日(火)快晴。テニス。旧日本軍による捕虜虐待を描いたアンジェリーナ・ジョリー監督の「アンブロークン」が53か国で公開され好評を博しているのに、日本では「反日映画」のレッテルを張る団体のせいで公開の見通しが立たないと。また世界に恥をさらすのか。
又また仰天発言ニュース。元女優で自民党女性局長の三原じゅん子(50歳)が予算委員会で「日本が建国以来、大切にしてきた価値観、八紘一宇であります」これに応えて麻生財務相は「三原先生の世代におられるのに正直驚いた」明らかに彼女を持ち上げている。
拙ブログでこの項はすでに最長になっているが、安倍政権になってこうした発言が相次ぐので、なかなか閉じることができない。与党の女性局長の要職にある人間の発言だから、これが政権の歴史認識だと受け止められても仕方あるまい。いよいよもって危険だ。
バスコ・ダ・ガマも眠る 言うまでもないことだが、「八紘一宇」という言葉は日本の侵略戦争を正当化するために使われたスローガンの一つである。教育勅語同様いかに「いいところもあった」などと言い訳を弄しても、国体(天皇制)に対する忠誠、協力を強いる大きな役割を果たした事実。
簡単に振り返れば、37年の盧溝橋事件以降戦争は総力戦に突入した、満州侵略の正当化に使われた「五族協和・王道楽土」「大東亜共栄圏」を上回る「八紘一宇」(世界を一つの家{日本を中心とする})の考え方を国民に吹き込み、東南アジアへの侵略も正当化した。
戦後右翼思想の拡散に大きな役割を果たした中曽根康弘元首相でさえ、在任中、「戦争前は八紘一宇ということで、日本は日本独自の地位を占めようという独善性を持った。日本だけが例外の国になり得ると思った。それが失敗の元であった」と否定した代物である。
教会は富の象徴 38年の国家総動員法の成立直前、国民精神総動員連盟が結成され、「挙国一致、尽忠報国、堅忍持久」のスローガンと合わせ八紘一宇は国民のマインドコントロールに決定的な役割を果たしたことは誰も否定できまい。三原発言はそうした歴史を知っての上とは思えない。
こうした時代錯誤で民族意識を意図的に煽る発言を閣僚が持ち上げ、だれも異議を挟まない、マスコミも沈黙する異常な状況がどんどん広がっているのだ。こうした考えに染まっているのは三原氏だけではない。かって安倍政権を求める民間人有志の檄文の中に名を連ねた芸能人も多い。
俳優津川雅彦、山本学、西田ひかる、松任谷由美、片岡鶴太郎、奥田瑛二、作曲家すぎやまこういち、学者では渡部昇一、中西輝政、評論家屋山太郎、日下公人、岡崎久彦など一昔前は世間に相手にもされなかった人たちが今や前面に出て世論をリードしているのだ。
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