18日(水)晴れのち曇り。関電、九州、中国、原電の各社が40年以上の老朽原発合わせて5基の廃炉を決定したのは当然だし、結構なことだが彼らの動機が不純だ。危険とか核ゴミの最終処分の見通しが立たないからではなく、採算がとれないと。さらに不純なのは。
これによって他の原発の再稼働を早めようという狙いが透けて見える。本当に日本の電力会社というのは経営努力もせず、独占の上に胡坐をかき、莫大な政治家を思うがままに操っている最も非道徳的企業だ。その幹部が教育関連の審議会に名を連ねるのが許せない。
東電は4月1日付で「新潟本社」なる内部組織を設置すると。人員を3倍に増やし、「皆様のご理解を得る」のが目的だとしているが、要は再稼働を確かなものにするために周辺自治体に金をばらまき、同意を得ようという魂胆が見え見えではないか。本県知事は、
「企業統治上必要な権限や財務機能を持たない『本社』とは名ばかりのものだ」と批判した。東電は安倍政権の対沖縄同様、泉田知事を相手にしない態度はあからさまになっており、知事追い落としの工作をやるのではと危惧される。規制委員会の田中委員長も同じだ。
廃炉を決めたといっても、敷地を更地にするまでに最低20~30年かかると。現に日本初の東海村の実験炉が76年運転終了後更地になったのは20年後の96年。今の原発とは比べ物にならない規模の小さなものだ。解体で発生した放射性廃棄物が約3800トン、半分はいまだに敷地内に一時保管されていると。40年経っている。
経産省の試算によれば、一基当たり350~834億円とされる。この費用だって最終的には電気料金にかぶせ、消費者が負担する仕組みだ。電力会社の連中もそれに群がる経産省や政治家は核ゴミや最終処分費用もすべて子や孫の世代に付け回すことに何の痛痒も感じていない。
マスコミはあたかも中間貯蔵施設の建設が始まり、問題が解決したかのような報道ぶりだが、とんでもないことだ。東海村の例でも分かるように30年で終わる話ではない。福島県大熊町で始まった中間貯蔵は最終処分場にされる恐れは十分にあることを肝に銘ずべし。
そもそも「中間貯蔵施設」という言葉は、除染などで出た低レベルの核ゴミの貯蔵施設ではなく、使用済み燃料の処理後の高レベル放射性廃棄物をプールに沈めて冷却する湿式貯蔵とキャスクに入れて保管庫で空冷する乾式貯蔵があり、それを一時的に保管する施設のことだ。
本来の中間貯蔵施設は六ケ所村に建設されているが、すでにほぼ満杯である。したがって、現在各原発の使用済み核燃料は大半はプール内に貯蔵され、一部は乾式のキャスク保管庫が各原発の敷地内にある。そのキャスクの寿命も40年というし、プールに至っては常に崩壊の危険に晒されているということだ。
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