14日(木)曇。菅官房長官という男。国民を見下したような記者会見は見たくもない。先日は大阪都構想をめぐる住民投票戦で自民党大阪府連が共産党と共闘していることに恫喝まがいの非難をやった。今度は韓国議会が米国での安倍演説非難決議をしたことを非礼で遺憾だと。
前者はこの問題で橋下維新に恩を売り、今後始まる憲法改正論議に維新を抱きこもうとする下心が透けて見える。後者は韓国をも見下し、内政干渉も甚だしい。歴史認識問題で反省する気など毛頭ないだろうから、経済関係は修復できても、友好関係は当分築けない。
小出裕章元京大助教は事故直後から福島原発について様々な提言をしているが、政府は批判的な意見には耳を傾けない。その一つに、事故を起こしたフクイチを石棺で閉じ込めるべきだという提言がある。4年も経って作業員が現場に近づけないのは原発だけだと。
スペインの思い出 現在、ロボットで溶けた燃料を取り出す作業に挑戦中だが、小出氏は「機器を使って取り出せる燃料の量はたかが知れている」と言い、最終的には1~3号機は今の場所にチェルノブイリのように石棺で封じ込めるしかないのではと。私には説得力があると聞こえる。
小出氏や元東芝で原発の設計に関わった後藤正志氏など、なぜ政府や電力会社は原発に批判的な専門家の意見に一切耳を傾けないのか。そこには権力と利権の問題がある。電力会社やその関連会社から自民党や民主党の政治家に渡っている政治献金について調べた。
共同通信の調べで「自民党の政治資金団体『国民政治協会』本部の09年の政治資金収支報告書で個人献金額の72.5%が東電など9電力会社の役員・OBらによるものだと。事故直後の11年7月23日の記事である。74年に批判を浴びて廃止された献金が個人に名をかえ復活していたのだ。
スペインの思い出 典型的な御用組合である電力総連(電力会社の労働組合で組織)が事故後、原発存続に理解を求めるための組織的な陳情活動を民主党の国会議員に展開していたことが、これも11年12月に報道された。組合員から集めた「政治活動費」7億5千万円が民主党議員に渡った。
原発はそもそも税金の投入なしには成り立たない事情はどこの国でも同じだった。競争のない所に利権と腐敗はつきもの。そのため、欧米では自由化が行われた。日本だけが大幅に遅れている。事故で一気に改革が進むかと期待されたが、完全に元の木阿弥に戻った。
今年3月の敦賀原発2号機に続き、昨日志賀1号機にも活断層の疑いが強まり、廃炉の可能性が出てきた。結構なことだが、廃炉にしても莫大な金がかかる。最終処分の費用は通常であれば、各電力会社が利益のなかから用意すべきものだが、資金管理センターに非課税で積み立てる仕組みがある。これとて、それを支えているのは我々が払う電気料金である。
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