スペインの思い出
18日(月)古館の報道ステーションは完全に変質し、観る気がなくなった。数少なくなった報道番組に日曜日のサンデーモーニングがある。昨日は珍しく、軍事オタクの森本敏氏が登場した。根っからの日米同盟派で案の定、積極支持の立場での解説に終始した。
例えば、安倍が記者会見で述べたように、戦争法案が必要な理由について、同じように国際情勢の急激な変化を挙げているが、戦後70年、平和を維持し続けて、安倍政権誕生まで誰もそんなことは言わなかった。思いつくのは尖閣問題をめぐる対中緊張関係位のもの。
ただそれだけで、国家の安全が急に脅かされていると誰が考えているのか。安倍政権が勝手に作り出した脅威論に過ぎない。安倍は会見で国籍不明機に対する自衛隊機のスクランブル(緊急発進)の回数は10年前に比べて7倍に増えた。これが現実です」と。
スペインの思い出
そんなことは、素人でも調べればわかることで、14年度のスクランブル回数は943回で、国籍不明機などではない。ロシアが473回で一番多く、次いで中国の464回でほぼすべてである。お互いの発進能力を確かめ合っているという専門家の話だ。安倍政権で増えた事は確かだ。
安倍会見で一番許せないのは自衛隊員の殉職発言である。戦後70年、憲法に反して軍隊を持ちながら、それでも「自衛」に徹して一人の戦死者も出さないできたことを自衛隊を認める人も、認めない人も誇りにしてきたし、世界の人々もそのように評価してきた。
安倍は明らかに、今後は戦死による殉職者が出ることは当然と言わんばかりの「自衛隊発足以来、1800人の隊員が様々な任務で殉職している」と全く問題のすり替えをやって国民を騙そうとしている。災害救助や訓練で殉職者を出す事と戦死者とは比較できない。国民の命を弄ぶことは許されない。
スペインの思い出
安倍は防衛大学校の卒業式でこうも述べたと。「不戦の誓いを現実のものとするためには、私たちもまた先人たちにならい、決然と行動しなければなりません」彼の言う「先人」とは誰だ。戦前の軍国主義者たちではないのか。不戦の為に戦争する?意味不明である。
訓示は続いた。「過去においても、日本が戦争に巻き込まれるといった、ただ不安をあおろうとする無責任な言説が繰り返されてきました」しかし、そうした批判が荒唐無稽なものであったことは、この70年の歴史が証明しています」平和は自分が守ってきたとでも?
旧防衛庁官房長で内閣官房副長官として第一次安倍政権を支えた柳沢協二氏は「隊員に与えられる任務の危険性は格段に高くなる。間違いなく戦死者が出ますよ。矛盾も極まれりで、これが荒唐無稽でなくてなんでしょうか」戦争はこうして準備されていくのだ。
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