角田山一段と夏の色濃く
10日(水)快晴。ドイツにおけるサミットでの安倍演説には呆れて言葉もない。「東日本大震災や原発事故も乗り越えて」?孫崎氏の言葉ではないが、「嘘と詭弁」に満ちている。1~3号機の使用済み・未使用燃料棒さえ取り出せず、13万人余が帰宅できないのに!?
さて、18歳選挙権・成人の問題である。日本の若者がいかに政治的関心が薄いか。全世代と30歳未満の投票率を各国別に調査した数字がある。ドイツとノルウエーがそれぞれ11%、12%差、スウエーデンは5%差、これに対し日本は21%も差がある。
そもそも全世代の投票率が欧州では7~8割に対し、日本は59%(前回52.6%)しかない。世間はその原因をどう見ているか知らないが、教育現場にいた私から言えば、明白に言えることは政治的中立を口実にして公務員を政治から遠ざけ、学校で政治教育をしないこと。
山アジサイが一足早く そもそも日本には大勢順応、長いものに巻かれろという処世訓というか政治的風土があることもあるが、学校現場では教師は委縮しきっている。だから公開研究会や親の授業参観時の公開授業に問題になりそうな歴史や政治問題を避け、当たり障りのない授業をやる。
私はそんなと時は俄然闘志がわき、わざと問題になりそうな天皇制、自衛隊、日の丸・君が代、労働問題など、歴史なら、シンガポールや南京虐殺事件、満蒙開拓青少年義勇軍、日中戦争やアジア太平洋戦争などを取り上げた。その方が授業後の協議会が盛り上がるし、何より生徒が授業に食いついてくる。
正しい政治教育の在り方からすれば、世間で見解が対立する問題を様々な角度から資料を読み込み、議論させることが大事だ。現にドイツをはじめ欧州諸国の政治教育の基本は「シチズンシップ(市民)教育」として確立されている。生徒が積極的に市民運動に参加することを奨励する。
全校登山の小学生 ところが、日本では教師に対しては偏向教育のレッテルを貼り、生徒に対しても外に出ようとすると、抑えにかかる。今回の18歳選挙権についても、産経新聞は早速2日付の「主張」(社説)で「18歳選挙権 教室を政治の場にするな」を掲げて教育現場への介入を始めた。
その言い方が安倍流の言葉のごまかしである。例えば「未来を担う若い世代が国づくりの責任を自覚し公正な一票を投じられるよう教育への配慮を十分に行ってもらいたい」彼らの言う『公正な一票』とは政府を批判することがないような教育という意味であろう。
本音は次の部分だ。「懸念されるのは、こうした教育の機会をとらえて一部の教員らが特定の政治的主張を教室に持ち込むことだ」「自民党は主権者としての自覚を促す教育の在り方を検討するとともに偏向教育の歯止めも打ち出す方針だ」と自民党の後押しをしている。