室生寺の五重塔
3日(月)快晴・暑 大阪から特急サンダーバード(雷鳥)で金沢まで。金沢~新潟間の特急北越が新幹線の開業で廃止されたために、電車で新潟に直接帰る手段がなくなったのだ。やむを得ず、金沢~新潟間の高速バスで帰ってきた。なぜか非常に腹が立った。
旅行中の5日間はほぼテレビ・新聞・PCから遠ざかったので、アベの顔を見ないで済んだ。ずっと見ないでいられれば、精神衛生上はいいのだが、そうはいかない。帰って、5日分の新聞を読んだ。いくつか見逃せない記事があった。東電の旧役員強制起訴された件。
4年半も経ってようやくである。普通の会社であれば、すぐに警察による強制捜査が入り、証拠固めや現場検証に入る。日本の電力会社は資本主義社会における普通の会社ではないのだ。消せる証拠はすべて消しただろうし、起訴されてもうやむやにされる危険性大だ。
奥ノ院への階段 二つ目は磯崎首相補佐官の確信犯に近い「法的安定性なんて関係ない。時代が変わったんだから解釈が変わるのは当然」発言。この男、勿論極右団体・日本会議や神道議員連盟のメンバーでアベの信頼の最も厚い人物だ。今日国会で発言を取り消したが、それではすまない。
もっと腹立たしいニュースは米国の諜報機関が日本の経産大臣や企業の盗聴をウイキリークスが暴露した問題。今日になってやっと、官房長官が米国諜報機関に問い合わせたと。この米国への属国、追随ぶり。ドイツやフランスの対応ぶりと比較すればよくわかる。
こうした問題への対応には、櫻井よしこらは猛然と反発するのかと思えば、沈黙を守っている。最新の彼女のブログは70年談話にあれこれ文句を言うのはけしからんと息巻いている。一体彼らの言う美しい国とか日本民族の誇りって何なんだと言いたくなる。
室生寺への参道 櫻井よしこの「少しはましな産経新聞」に至っては、戦争法案反対デモは「ヘイトスピーチだ」などと訳の分からんことをコラムに書いている。嬉しいニュースも留守中に入っていた。新潟市の教科書採択では育鵬社を阻止し、地理、歴史は東京書籍、公民は教育出版、地図は帝国書院にに決まったと。
もう一つ、「火垂るの墓」のアニメ監督・高畑勲氏がインタビューで「攻め込まれてひどい目に遭った経験をいくら伝えてもこれからの戦争を止める力にはなりにくいのではないか。なぜか、為政者が次なる戦争を始めるときには『そういう目に遭わないために戦争をするのだ』というにきまっている。
自衛のために戦争だと。惨禍を繰り返したくないという切実な思いを利用し、感情に訴えかけてくる」と。まさに現在の安倍政権の対応をいい当てたもので、「火垂の墓」は反戦アニメと思われてきたが、高畑氏は違うと。8月に入って戦争に関わるドラマが流されているが、被害が中心だ。それでいいのかという問題提起である。