日本最古の寺だった飛鳥寺
14日(金)アベが読んでいないというポツダム宣言受諾の日。日本の国がここまで右傾化し、安倍の天下取りを許した背景に衛藤首相補佐官の言う通り、96年の「新しい歴史教科書をつくる会」や「日本会議」の活動を見誤り、その勢力の伸長を阻止できなかったことだ。
つくる会はその後分裂を繰り返し、今はその流れを汲む「教科書改善の会」(代表屋山太郎)、で、その中心人物は育鵬社版教科書の執筆者でアベの私的諮問機関「日本教育再生実行会議」に曽野綾子らとともに名前を連ね、つくる会の3代目会長・八木秀次である。
育鵬社版の出版記念会で挨拶に立った八木は「育鵬社の教科書は学習指導要領を徹底するだけでなくその先を行っている。人物に焦点を当てて歴史を描いている。公民は、国家とは何か中学生に理解させたい思いで執筆した。天皇や安全保障は他社を圧倒している」
今も日本最古の仏像 その八木が昨年の右翼雑誌「正論5月号」で「両陛下のご発言が安倍内閣が進めようとしている憲法改正への懸念の表明のように国民に受け止められかねない」と天皇を批判し、昔のお仲間から猛批判を浴びている。そうだ、天皇は間違いなく君たちを批判している。
八木は完全なアベのシンパで「安倍内閣のもとで教育再生をどんどん進めている中で、結果を出さなければ恥ずかしい。育鵬社の教科書がどれだけ採択されるのかによって、安倍内閣の教育改革の真価が問われる」とまで言っている。どんどん進める改革とは・・。
第一次安倍内閣で教育基本法を改悪して「愛国心」を盛り込んだ。教員免許に有効期限を設けて、更新研修を義務付ける教員免許更新制を導入した。第二次安倍政権では教育委員会制度を改悪、道徳の教科化、教科書検定基準を改定し、政府見解を記述させる等。
蘇我入鹿の首塚はこんな風景の中に
残るは教員免許の国家資格化と教科書の国定化ではないか。週刊金曜日のウエブ版9日付の記事に「教科書採択への政治介入を公言する安倍首相の発言録」がある。そこには「先ず、自虐史観に侵された偏向した歴史教育、教科書の問題があります」従来の教科書への批判である。
「ではなぜ(自虐史観)の歪んだ教科書が採択されるのかというと、歪んでいなければ採択されない仕組みになっているからです」戦後、自由発行自由採択から検定制強化の中で執筆者が良心を込めて書いてきた教科書を「歪んだ教科書」と烙印を押す国家の首相!
世界の民主主義国の中で教科書の内容に国家が介入し、採択にも介入するという異常さをおかしいとも思わず、ましてや自分の精神構造の歪みにも気づかない総理大臣を今私たちは抱えているのだ。とんでもない指導者を持つことの不幸はもう証明済みである。