ホテルのスタッフと
2015年10月1日(木)快晴。中国で3人の日本人が「スパイ容疑」で拘束されたとの報道。いずれも神奈川、愛知、北海道出身の民間人だという。今の日中関係からすれば、多くの国民が「中国のでっち上げ」と受け止めるだろう。でもちょっと待ったである。
いろんな疑問がわく。政府は5月の段階で把握していたという。なぜ今までそれが明らかにされなかったのか。菅官房長官の「邦人保護の観点から適切に対応している」「我が国はそうしたこと(スパイ)は絶対していない」なぜわざわざ「我が国は」というのか。
今日の昼前の毎日ニュースによれば、拘束された日本人は「日本政府の関与をほのめかしている」とか。今朝の孫崎享氏はブロマガでそのことが予測されていた。「内閣調査室は自らを情報機関と位置付け、その前提のもとに各国情報機関と接触している」という。
この傘はベトナムの風景「内閣調査室は自らの要員を大量に海外に展開する力はなく商社をふくめ、現地を訪れる人々から情報を入手している」と。元外務省国際情報局長の発言であってみれば説得力がある。従って、孫崎氏は「菅官房長官の「日本はスパイ活動を絶対していない」は嘘だと。
花岡事件について、私が絶対に許せないと思うことは、政府も企業も全く反省の意志がないことである。外務省の「華人労務者就労事情調査報告」には「死因については彼らの虚弱体質などによる」などとしているが、彼らを手当した高橋実医師は「帰国までの2ケ月間は一人も死んでいない」と。
敗戦後に行われたBC級戦犯横浜裁判では、第七分所(秋田県花岡、藤田組花岡鉱業)から11名が裁判にかけられ、鹿島組3名が絞首刑の判決を受けた後、終身刑に減刑された。鹿島組は何と言ったか。「一切の責任はない。中国労工は募集によってきた契約労働者だ」
この賑わい 鹿島は又「賃金は毎月支給した。遺族に救済金も出している。国際BC級裁判は間違っている」と主張。脱走事件のリーダーだった耿諄氏がこの政府や企業の不正実に怒り、95年、11名で提訴。97年、東京地裁は「時効」として訴えを棄却、高裁は和解を勧告した。
00年高裁で和解が成立。鹿島が5億円を「花岡平和友好基金」として積立、救済をすることで決着。ここでも鹿島は「法的責任を認めるものではない」ことを主張し、「今後一切の請求権を放棄することを約束させての「和解」だった。対中貿易のための和解だ。
劉連仁事件、花岡事件二つだけの事例を見てもお分かり頂けると思うが、日本政府と日本企業の態度は国際的に認められるものではなかろう。先般の三菱マテリアルの和解にしても、心からの謝罪、和解ではなく、あくまで対中貿易上の理由による偽装に過ぎない。