新潟駅通りの銀杏並木 17日(土)快晴が続く。昨日、年金者一揆の集会で県の上地書記長の話は、これもマスコミが報道しないことばかり。要するに少子高齢化と財政問題を理由に我々は政府の説明に騙され続けているという許しがたい話だ。機会を改めて年金問題をとりあげたいと思う。
今日は午後から敬和学園大学で「戦後70年!今あらためて『歴史認識』を問う」というシンポジウムがあり、参加してきた。タイトルからしてそれほど集まるまいと思ったら、大学の大講堂が満席で、補助席まで設定されていた。これもアベ効果と言えるかも。
この大学はミッション系の大学で、優れた若手の研究者が揃っている。国立大学の法人化以来、文科省の思惑通り、去勢されつつある。新潟でいえば、むしろこの大学や新潟情報大、県立大などに気骨のある学者が集まりつつあるように見える。歓迎すべき傾向だ。
年金者一揆 シンポジストはこの大学の若手で藤野豊氏「日本はなぜ侵略戦争を反省できないか」、木下光弘氏「植民地化された内モンゴルを考える」、丸畠宏太氏「ドイツはナチス時代をどう語ってきたか」、山崎由紀氏「アメリカは日系人強制収用と原爆投下にどう向き合ってきたか」という魅力的な内容。
私が初めて聞く話を中心に紹介する。藤野氏の話の中で一番驚いたのは、戦時下、ハンセン病患者3000名を東南アジアに派遣、そればかりか、結核患者や知的障害者を「保護兵」として派兵されていた事実である。ここまでやっていたとは、全く知らなかった。恥ずかしい。
悲しいのは、送った側の長島愛生園医務官・早田某の言葉「全国12か所に世界に比類なき病者の楽園を築き上げた、日の本の癩者達は、御恵を遠く救われざる民草に及ぼすべき大使命を負わされて居る。救癩挺身隊の出現之こそ日の本の癩者に生まれた幸を体得する日でなくて何であろう」戦争はここまで人を狂わすか。
歴史認識シンポジウム 藤野氏はパラオにおける日本軍におけるハンセン病患者虐殺の事実も報告。日本が占領した南太平洋諸島における親日風評ばかりが伝えられるが、話を詰めていくと、虐殺や略奪の話は必ず出てくるという。木下氏の話も満州国建設にモンゴル人が好意的だった話。
この話もモンゴル人が長年にわたる反漢民族感情、モンゴルの文化を守りたいという思惑から、日本を利用しようとした気配があると。この点はベトナムやマレーシアでも事情は同じで、欧米植民地支配に対する反感と反中国感情を日本が利用した側面もあるのだ。
8月9日のソ連による対日宣戦布告により、モンゴル人民共和国がともに満州に攻め込んだ際、内モンゴルも行動を共にした事実も初めて聞く話だった。丸畠氏と山崎氏の話も日本の、とりわけ安倍政権の歴史認識がいかに歪んだものか。折に触れ引用させていただく。