日韓条約50周年記念講演会 1日(日)昨日は午後から新潟国際情報大教授・吉澤文寿氏による「日韓条約50年~置き去りにしてきたものと日韓の未来を考える~」という講演会を聞いてきた。目新しい話はなかったが、私の受け取った結論は日本は韓国に何ら謝罪も賠償・補償もしていないという事実。
講演の内容はいずれまた報告する。ここ数日の大きなニュースは28日付で「南シナ海、米艦12カイリ領海内航行、緊張高まる」という米中対立を煽るものだが、なぜか、その後報道はない。アベやその取り巻きが危機感を煽る割には米中双方とも冷静だということ。
ある専門家の解説によれば、アメリカ国内の中国研究は緻密かつ冷静でパイプも太いと。従って、米艦の行動も中国は承知の上で、衝突に至る恐れはまずないと。それに引き替え、日本の外務省内の中国研究はお粗末で、危機を煽るだけで、対話推進の理念も手法もない。
鳥屋野潟の紅葉 南シナ海問題について、前掲の前泊氏の著書で元共同通信マニラ支局長の石山永一郎氏のQ&Aが興味深い。私もアベ支持者らが「沖縄に米軍基地があることが日本防衛の抑止力になる」という虚構をなぜ多くの国民が簡単に納得するのかの疑問が解けた思いである。
例えば、小泉内閣で首相補佐官を務め、安倍政権の提灯持ちをやっている外交評論家の岡本行夫が「米軍基地を撤退させた(後述)フィリッピンは米軍撤退後、中国に南沙諸島の実効支配を許したじゃないか。だから尖閣を守るために沖縄の海兵隊が抑止力として必要だ、というとんでもないウソをついている。
そもそも、中国が南沙諸島全域を中国が支配しているかのように聞こえるが、全く間違いだと。石山氏は南沙諸島の地図を口絵に掲げ、フィリッピンとベトナムの間の海域に40ほどの島があると。本当は(岩礁を含め)100以上あると。この島や岩礁を6か国・地域が領有権を主張。
鳥屋野潟公園の紅葉6か国とは、中国、台湾、フィリッピン、ベトナム、マレーシアブルネイが入り乱れて実効支配しているのが現状だと。大まかに現状の実効支配はベトナムが20以上、フィリッピンが9、中国が7以上、マレーシアが5以上、台湾は最大の島・太平島を、ブルネイは0。
このうち英語でISLANDと表記される13島に限ると、フィリピンは2番目に大きいバグアサ島など七つを実効支配しており、島の数では一番多く持っていると。残りの6つの島の支配の内訳はベトナムが4、台湾が1、マレーシアが1、実効支配で出遅れた中国は0だという。
中国の肩を持つ気もなければ、最近の拡張主義的傾向に腹も立つが、いま日本のテレビや新聞が南沙諸島を我が物顔に支配して、他国を追い出しているかのような報道はどうも事実に反するようだ。今中国が埋め立てている人工島は美済礁(英名・ミスチーフ礁)のことらしい。この岩礁はどこの国も実行支配しておらず、建物もない。