鳥屋野潟の紅葉
2日(月)昨日は快晴で鳥屋野潟公園を歩いた。紅葉がきれいだった。アベ政権は口では「窓口は常に開かれている」と言いながら、行動は全く逆で、対中、対韓政策で無様な歴史認識のために交渉さえできない。東南アジアを含め、アジアの中で孤立しているのでは。
沖縄をはじめ日本全土に米軍基地を置き、おまけに思いやり予算などというわけのわからない負担まで申し出て、アメリカの属国であることを認めているようなものだが、東南アジアのASEAN加盟国(タイ、フィリッピン、マレーシア、インドネシア、ブルネイシンガポール、ベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジアの10か国)に米軍基地はない。
フィリッピンやベトナムなど中国と激しく対立している国々でさえ、アメリカの抑止力が欲しいから基地をどうぞなどと屈辱的なことはしないのだ。後述するが、フィリッピンが92年に米軍基地撤去を求め、実現して以来のこと。昔欧米の植民地支配に苦しんだ国々である。
鳥屋野潟の紅葉 かく言う私も恥ずかしい過去がある。54年に反共事同盟として設立された、東南アジア条約機構(SEATO)をもって、長い間ASEANをそのような色眼鏡で見てきたことを告白する。しかし、現在のASEANは対アメリカ、対中国からも自立した組織に成長している。
南沙諸島は50~60年代に中国を除く周辺諸国により実効支配が進んでいた。中国が出遅れた理由は60年代の文化大革命を中心とする国内政治の混乱によるという。経済的にも中国は周辺諸国に立ち遅れていたこともある。文革収束後の中国の急速な台頭があるわけだ。
ただ、日中間と違うのはアセアン諸国は中国との間の領土問題の存在を認め合い、交渉のテーブルについているということ。日本は一方的に民主党政権が石原慎太郎に煽られ「固有領土論」を展開し、領土問題は存在しないと、交渉の窓口を閉ざしてしまったのだ。
鳥屋野潟の紅葉 アセアンと中国との交渉は進み、02年に合意至ったのが「南シナ海行動宣言」だという。その内容は「領有権問題の平和的解決を目指す」「実効支配の拡大を自粛する」の2点。07年11月、ASEAN加盟国10か国は「ASEAN憲章」に調印。紛争解決の方法の具体化。
国連憲章や国際法の尊重をうたい、これまで通り内政不干渉を掲げつつ、人権を含めた国際法尊重を明文化した。さらに「核兵器や大量破壊兵器の存在しない地域としての東南アジアを維持する」ことも確認。その後、日本、中国、韓国を加えた「ASEAN+3」という枠組みが97年から始まっている。日本の報道だけを聞いていると、まるで南シナ海を荒らしまわる中国をアメリカ、日本が助けてやるかのような雰囲気を作り出しているが、とんでもない話だ。対米追随に終始してきた日本は今後はじき出される可能性さえある。