
海外で子育てをしていると、「SAT」「SSAT」「IB」「AP」「Aレベル」など、似たようなテスト名を耳にすることが増えますよね。
でも正直、「どれが何?」「うちの子に必要?」って混乱しがち。
実際、これらの試験は子どもの年齢・進路・学校タイプによって必要性がまったく違うんです。
この記事では、それぞれの特徴・目的・難易度をわかりやすく整理し、「どの試験を受けるべき?」「やめたほうがいいケースは?」までまとめて解説します。
海外入試テストの全体像【まずはざっくり比較】
海外で耳にする入試テストには、SAT・SSAT・IB・AP・Aレベルなどさまざまな種類があります。
それぞれ国や学校によって使われ方が異なるため、「全部やらなきゃ」と焦る必要はありません。
まずは、それぞれのテストがどんな目的で・どの層に向けて行われているのかを整理してみましょう。
/Math
(デジタルSAT)大学入試
出願スコア高校生世界各国
(米国中心)SSATVocabulary・Reading・Math中学・高校入試
入学選考小5〜高1目安北米・国際ボーディングスクールIB(DP)6科目+EE(課題論文)+TOK+CAS国際資格+大学入試高校生IB認定校AP大学レベルの科目試験
(英語・理数・歴史など)大学単位認定/
出願加点高校生世界各国
(米国中心)Aレベル少数科目を2〜3科目深掘り
(理系強め)英国圏大学入試高校生英国・アジアTOEFL
IELTS4技能の学術英語(Reading・Listening・Speaking・Writing)を評価語学力証明中高〜大学生世界各国 SATとは
SAT(Scholastic Assessment Test)
アメリカのCollege Board(教育機関)が運営している大学受験のための統一試験で、日本で言う共通テストのようなものです。
日本ではそのまま「SAT(エスエーティー)」と呼ばれる。
Reading・Writing・Mathの3領域で、英語で考える力と論理・数学的思考を測る。
誰向け?海外大学(特に米加)志望の高校生向け。
日本の一部大学の国際系・AOで提出歓迎のケースあり。
日本での扱いは?必須ではないが、英語資格だけでは見えにくい学力の裏付けとして評価材料になる場合がある。
SSATとはSSAT(Secondary School Admission Test)
北米ボーディングスクール(全寮制の寄宿学校・日本の高校に相当する教育機関)や一部インターナショナルスクールの中学・高校入学選抜で用いられる学力試験。
日本では「エスエスエーティー」と表記されることが多い。
Vocabulary・Reading・Mathに加え、エッセイ(採点なしの筆記)で基礎的な学習適性を確認。
誰向け?英語で学ぶ学校へ進学・転校を考える小5〜中3。
日本での扱いは?国内受験では原則不要。
海外校・ボーディング志望者だけが検討すればよい。
IB(国際バカロレア)とはIB(International Baccalaureate Diploma Programme/国際バカロレア)
スイス発の国際教育プログラム。
日本では「国際バカロレア」と呼ばれ、PYP(3〜12歳)/MYP(11〜16歳)/DP(16〜19歳)/CPの4課程に分かれる。
誰向け?海外大や国際系学部志望、探究・論述・プレゼン型の学びが得意な高校生。
出願で世界的に通用する資格。
日本での扱いは?多くの大学がIB入試枠を設置。DP修了で出願資格を認める大学が拡大してきています。

AP(Advanced Placement)
アメリカ発の「大学先取り科目」制度。
高校在学中に大学レベルの科目を履修・受験することで、スコア次第で大学単位として認定されます。
得意科目を深く学びたい生徒や、出願時に「学力の証明」を強化したい場合におすすめ。
誰向け?得意科目を深掘りして強みを作りたい高校生。米加大学志望者との相性が高い。
日本での扱いは?一部の国際系・理系学部で評価材料として歓迎されることがあるが、必須ではない。
AレベルとはAレベル(General Certificate of Education Advanced Level)
イギリスやシンガポールなどの大学進学で使われる学力試験。
少数科目を2年間かけて深く学び、最終試験で大学入学資格を得る仕組み。
理系や専門分野志向の学生に向いており、アジア圏でも広く導入されている。
誰向け?イギリス、香港、シンガポール、オーストラリアなど英国圏大学志望の高校生。
日本での扱いは?海外大志望者が中心。国内では直接の必須要件にはなりにくい。
TOEFL/IELTS(英語能力試験)どちらも「英語で大学や学校生活ができるか」を測る国際的な語学試験。
TOEFLはアメリカ・カナダ寄り、IELTSはイギリス・オーストラリア寄りの大学で採用が多い。
SATやIBと違い、「英語力単体」を証明する目的で使われる。
どちらも英語で大学や学校生活を送る力を測る語学試験。
TOEFLは米加の採用が多くアカデミック色が強い。
IELTSは英連邦圏の採用が厚く、General/Academicのモードがある。
誰向け?海外大学志望者、帰国子女枠・総合型選抜で英語力証明が必要な高校生。
日本での扱いは?国内大学の出願要件で幅広く採用。英検・TEAPと並び立つ位置づけ。

海外・帰国子女の入試は「国×方式」で必要なテストが大きく変わります。
下の早見表は、主要テスト(SAT/ACT・AP・IB・Aレベル・SSAT/ISEE)が、各進路でどの程度必要になるかを記号で示したものです。
ISEE米国・カナダ大学 英国・香港・シンガポール アジア英語系大学 大学 による 日本の英語学位・国際系 日本大学(帰国子女枠) IB方式は◎ 日本高校(帰国生入試) 日本中学(帰国生入試) 北米ボーディング/インター 一部は
独自試験 凡例:◎=必須 〇=多くで必須 △=一部で必要 ×=不要
この表のように、全部のテストが必要なわけではありません。
進路に関係ないものは思い切って外し、必要なものだけに時間と費用を集中させましょう。
すべての子がSATやIBを受ける必要はありません。
むしろ、目的があいまいなまま始めてしまうと「負担だけが増える」こともあります。
この章では、「受ける意味が薄いケース」や「他の試験で十分代替できるケース」を紹介します。
限られた時間の中で、本当に必要な試験だけを選べるようにしましょう。
志望校が日本の一般入試のみ 英語資格で十分にカバーできる 滞在期間が短く、準備に時間を取れない 他の試験(IB/TOEFLなど)との両立が難しい“なんとなくみんな受けてるから”ではなく、目的から逆算して選ぶのが鉄則です。
「受けるべき?やめるべき?」は、家庭だけで判断しにくいテーマです。
全員が受ける必要はありませんが、もう一歩で届くなら専門家がいるスクールで伸ばしてあげるほうが安全で、遠回りもしません。
一度「本当に必要か?いつ・どれを受けるか?」を第三者に見てもらいましょう。
こんなときは相談のサイン最初の一歩が決まらないときは、小さな不安のうちに相談するのが得策です。
志望国や方式は決まっているのに、必要テストが確定しない 学校の成績や英語力は悪くないが、スコアの出し方が分からない 家でやってみたが、何から優先するかで親子の意見が割れている SAT/IB/AP/SSATのうち、どれをやめる(外す)べきか決め切れない迷いが続くほど時間コストが膨らみます。まずは短時間のヒアリングで方向を固めましょう。
相談先の使い分け(目的別)受験の準備をすべて家庭だけで進めるのは大変。
まずは「どこまでサポートをお願いするか」を整理してみましょう。
それぞれのスクールには得意分野があるので、目的に合わせて選ぶのがコツです。
EDUBAL(エデュバル)帰国子女専門。受験準備を最初から最後までサポート。
海外在住でも日本時間に合わせた授業が受けられるので、時差があっても安心です。
出願の進め方、面接・エッセイまでまとめて相談できる 英検やTOEFL、SATなど複数の試験にも対応 海外からの帰国直前期でもすべてオンラインで完結「何から始めればいいかわからない」「全体を見て導いてほしい」家庭にぴったり。
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勉強とメンタルの両面を支える、コーチング型のサポート。
TCK(海外で育った子ども)に特化しており、学習のつまずきやモチベーション低下にも寄り添います。
学習計画づくりや目標管理のサポート 帰国前後の生活リズムや学習ペースの立て直し 不安が大きい時期のメンタルフォローにも対応「勉強だけでなく、気持ちの面も支えてほしい」ときにおすすめ。
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短期間で弱点をピンポイントで伸ばしたい人に。
英作文・リーディング・要約など、課題別に集中して学べるのが特徴です。
2〜4週間の短期集中型プログラム オンライン添削でフィードバックが早い 学校課題や出願準備と並行しやすい「あと少し底上げしたい」「短期間で結果を出したい」家庭におすすめ。
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家庭によって“必要なサポートの深さ”はさまざまです。
どれが自分に合うかわからない場合も、無料相談で今の状況を話してみるだけで道筋が見えてきます。
焦らず、安心できるパートナーを見つけてくださいね。

まずは最小限の情報で十分。
これだけ揃えば初回から具体的な提案が返ってきます。
志望国/大学(または学校)と目安の専攻、受験時期 学校成績(成績表)、これまでのテスト歴(あればスコア) 週あたり学習時間の上限、時差・通塾可否、家計の上限感準備は完璧でなくてOK。ざっくりでも、プロが現実的なプランに落とし込んでくれます。
相談で確認したい要点面談では“ここだけ”押さえれば、家に帰ってすぐ動けます。
うちの進路で“必須”と“不要”を明確に分ける 受けるなら、どのテストをいつまでに、どの順で準備するか 家庭学習で十分な領域と、外部サポートを足すべき領域 途中で方針変更が必要になった場合のプランBこの4点が決まれば、迷いが行動に変わります。
必要がなければ「やらない」という選択にも自信が持てます。
受ける・受けないを独力で抱え込むより、短い相談で地図を描いてもらうほうが結果的に早く、安く、安心です。
必要がなければ「やらない」という判断も含めて、納得して進めましょう。
まとめ:全部をやる必要はない「わが家に必要なものだけ」で十分海外・帰国子女の受験は情報が多く、まわりの話を聞くだけでも不安になりがちです。
でも、進路や環境は家庭ごとにまったく違います。
「うちにはこれが必要」「これは今はまだ早い」と整理できれば、それだけで十分。
焦らず、長期的な視点でわが家に合った道を選んでいきましょう。
海外・帰国子女の入試は、国も学校もテストも本当に多様です。
でも大事なのは、「全部取る」ことではなく「選んで集中する」こと。
どの試験も、しっかり準備すれば確実に成果につながります。
焦らず、わが家の進路に合った1本を選びましょう。









