キャメロンのキャベツ
26日(木)曇り。帰国以来、毎朝家内と散歩を続けている。私にとっては不十分な距離だが、動かないよりはいい。料理当番も復活し、昨日は秋刀魚を刺身とからし醤油揚げ、自宅で取れたカボチャとひき肉を使ってそぼろ煮。鮭とほうれん草の一品をつくった。
食材と調理用具の差で快適さが全く違う。キャメロンでもかなり工夫して楽しんだつもりだったが・・。海外で食べ物に苦労するからこそ、帰国後の日本食が一層美味しく感じるのだと思う。特に野菜の差は何だと思う。日本の気候、特に雨の量ではないかと。
はみ出しを許さず、みんなに同じ行動を求め、自己主張も異端視する日本の社会がどれほどストレスを生み、能力まで摘み取ってしまうかの例を在職中を思い出しながらこの連載で綴っている。私は当初、日本の学校の制服・制帽の影響が強いのではないかと考えた。
柿がたわわに
しかし、世界を巡ってみて、思った以上に制服を採用している国や学校が多いことに驚いた。制服の歴史は間違いなく軍隊に発するものだから、思想統制の狙いははっきりしているが、今は愛校心や一体感を高める役割を求めているようだ。でも個性とは別だろう。
NZの多くの学校も制服だった。大家さんの家の中高校生は十分個性的だった。ドイツではナチスへの反省からそれはむしろ徹底的に排除され、個人の趣向に関する事柄を校則で規制してはならないという法律があると聞いたときは、全く我が意を得たりだった。
私の出身中学の髪型点検。高校は女子の制服の襞の数、男子生徒の革靴の色、果ては乗る電車の車両まで男女別に規制された。私が教師になった67年だが、校則の細かさは基本的に変わっていなかった。戦後の最初の学校の“荒れ“は明らかに校則への反乱の時期があった。
命の朝顔がなお
教師になって、職員会議で一番神経をすり減らしたのはこの校則を巡る議論だった。日本人学校の自由な校則から帰国した大荒れだったF中でのこと。某女教師からベルトの幅と色を決めて欲しいとの提案に私は切れた。ベルトの色が貴女の授業の妨げになるのか!
真面目で温厚な女教師などいじめる気はさらさらなかったが、余りの自主判断のなさに腹が立った。当時のツッパリのベルトは1センチほどの白いベルトだった。「決めてもらわないと取締?ができない」と。女子のツッパリのスカートは超ロング。それがどうした。
私にとってはどうでもいいような問題で延々と続く議論に辟易だった。ツッパリたちは目立ちたいだけ。そんなことより、授業中の私語や漫画本読み、ウオークマンなど、授業の邪魔になる迷惑行為をどうするかを議論するならともかく、非生産的な議論だった。
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