無造作に売られる豚足
29日(日)快晴。帰国すれば、私には反原発が待っている。デモにはまだ復帰していないが、学習会には今日家内と一緒に参加した。一市民の記録「ふくしま放射能汚染」と題し、郡山市から自主避難されている佐藤好男さんの克明なデータ収集に基づく話を聞いた。
会場は30人足らずの小さな勉強会だったが、原発事故以来の福島県民を初め、政界、財界、学会、マスコミの情報を丹念に集め、それをわかり易くつなぎ合わせて解説してくださった。怒りを新たにするとともに、記録を残すことの大切さを教えていただいた。
夜は大河ドラマの後、日本ベトナム国交40年スペシャルドラマを見て、この項を書く気になった。シンガポールで日本が何をしたかの話はまだ終わっていないが、このドラマはホー・チ・ミン以前のベトナムの独立運動を助けた浅羽佐喜太郎という医師を主人公にした明るい話題だった。
活躍したレンジとトースター
アジアではないが、ユダヤ人を救った杉原千畝の話や孫文の中国革命で魯迅を支援した内山完造、そしてこのファン・ボイ・チャウを支援した浅羽など右翼「つくる会」が持ち上げる「立派な日本人」がいた事実は大いに称えられていいし、誇りにもしたいものだ。
ただ、私が評価するのは「つくる会」の視点とは全く違う。ファン・ボイ・チャウはハノイ滞在中に見学した歴史博物館にホーチミンの先覚者たちと位置づけで、写真付きで展示されていた。ただ浅羽医師との関係は説明にはなかったと思う。今日のドラマを見ながら、孫文の革命過程となんと似ていたことかと思った。
ファンは東遊運動で日本に留学生を送り込む人材育成を革命運動の柱にしようとした。孫文も同様で欧米の植民地にならなかった日本の明治維新を革命運動の手本にしようという期待、同じアジアだからという親近感もあった。犬養毅を頼った点でも同様だった。
これは輸入物?
孫文もファンも犬養を信頼し、犬養も彼らを支援する心はあったが、日本全体はアジアを切り捨て、脱亜入欧で白人の仲間入りを選択し、彼らを弾圧する側に動いてしまう。犬養は右翼系軍人に暗殺されてしまう。ファンはドラマの後中国にわたり、逮捕され、ベトナムの古都フエで獄死する。
ホー・チ・ミンが孫文と違って、当初から日本はあてにならないと見限っていた点であろう。ファンや孫文の失敗をホーは的確に分析していたのだ。右翼「つくる会」は「立派な日本人」を評価する点では同じだが、私と決定的に違うのは、アジアとの連帯感の差だ。
「大東亜戦争」を正義の戦争と呼ぶ彼らが孫文やファンの革命運動を支援しなかった日本の選択を非難せず、日本がアジア各地の侵略戦争で重ねた悪行を否定するのは自己矛盾ではないのか。日本が1940年にベトナムに侵略し、何をしたか以前にハノイからすでに報告済みである。
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